愛車を守るために、日々セキュリティ対策をしている方も多いでしょう。でもちょっと意外な話をひとつさせてください。
「輸入車って、じつは盗まれにくいらしいんです」。この話、実際どこまで信じていいのか気になりますよね。
この記事では、統計データと実際のオーナーの声を交えながら、輸入車が“狙われにくい”理由を探ります。
さらに、各メーカーのセキュリティ事情や、最新の盗難対策についても紹介。車好きなら気になるあの疑問にお答えします!
じつは盗まれにくい!? 輸入車が“狙われにくい”驚きの理由
愛車を守るために、日々セキュリティ対策をしている方も多いでしょう。でもちょっと意外な話をひとつさせてください。
輸入車って実は盗まれにくいらしい。この話、実際どこまで信じていいのか気になりますよね。
この記事では、統計データと実際のオーナーの声を交えながら、輸入車が“狙われにくい”理由を探ります。
さらに、各メーカーのセキュリティ事情や、最新の盗難対策についても紹介。車好きなら気になるあの疑問にお答えします!
輸入車が盗難されにくいと言われる理由
なぜ輸入車は盗難されにくいと言われているのでしょうか? それにはいくつか理由があります。この章では、その意外な理由をお伝えします。
国産車が上位を独占する“あのランキング”
まずはこちらの盗難車ランキング(2023年)を見てみてください。
順位 | 車種 | 台数 |
---|---|---|
1位 | トヨタ・ランドクルーザー | 450台 |
2位 | トヨタ・プリウス | 282台 |
3位 | トヨタ・アルファード | 195台 |
4位 | レクサス・LX | 140台 |
5位 | トヨタ・ハイエースバン | 120台 |
6位 | トヨタ・クラウン | 100台 |
7位 | 日産・スカイライン | 90台 |
8位 | トヨタ・ハリアー | 88台 |
9位 | ホンダ・ステップワゴン | 75台 |
10位 | トヨタ・ノア/ヴォクシー | 65台 |

なんと、上位は軒並みトヨタ車です。そして、輸入車はトップ10にすら出てきません。
これは単に「売れているから」という理由だけではありません。
盗む側からすれば、「売れる」「部品が使える」「すぐ現金になる」が最優先。その点において、輸入車はそのどれにも当てはまりづらいのです。
輸入車の「そこまでする!?」なセキュリティ機能
筆者のBMWオーナーの友人の話ですが、愛車の3シリーズをスマホのアプリで常に追跡できるように設定しているとのこと。
エンジンを切った後も、ドアが開いたり車が動いたりすれば即座にアプリに通知。しかも仮に盗まれても、アプリを介して遠隔でエンジンをかけられなくすることもできるとか。
このようなセキュリティ機能はベンツやアウディ、テスラにもあり、輸入車の防犯対策は日本車以上に強力といえるでしょう。
不正輸出とパーツ需要の壁
窃盗団の目的は “売れること”。そのためには、盗んだ車を分解して部品を売ったり海外へ転売する必要があります。しかし輸入車はパーツの流通ルートが特殊だったり、車種によっては左ハンドルしかない場合もあるので需要がかなり限られるようです。
筆者も以前、プジョー106を購入した際には、前オーナーからこう言われました。
「簡単な構造だから、盗まれやすいかと思ったんですがパーツもマニアックですし、バラバラにしてしまうと価値が下がるらしく、そこまで盗難は神経質になる必要ないですよ。」
とのことです。つまり、泥棒にとって旨味が少ないとも言えますよね。これはある意味、オーナーにとっての隠れた安心材料なのかもしれません。
進化する輸入車のセキュリティ
国内外に限らず各自動車メーカーでは、走り・外装・内装・先進安全装備のほかに、セキュリティ対策もマストで標準装備をする時代になってきています。
特に近年、自動車業界はIoT化が進んでおり、インターネットを通じて車両をコントロールできるようになっています。
そのため、各メーカーともスマホ1つでさまざまな操作が行えるアプリやサービスを提供しています。
ここでは、プレミアム系から一般モデルまで、ブランドごとにユニークなセキュリティ対策を紹介します。
メルセデス・ベンツ
「Mercedes me」アプリで遠隔ロックや位置情報確認が可能です。
ジオフェンシングという機能では、あらかじめ設定した行動範囲を超えたときに通知がいくようになっています。
BMW
「ConnectedDrive」は、必要な機能をチョイスできる月額のサブスク方式のデジタルサービス。
BMWリモート・サービス(無料)では、車両の位置追跡、遠隔操作、盗難通知が可能です。
アウディ
「myAudi」アプリでスマートフォンから遠隔操作や車両状態の確認ができます。
スマホからドアロックをしたり、カーファインダーで車両の駐車場所を特定したりすることができます。
公式サイト | myAudi | Audi Japan |
フォルクスワーゲン/MINI
スマートキーのスリープモードで電波を遮断。リレーアタック対策として有効。
こうした装備はあまり大きく宣伝されていませんが、盗難対策という観点から見るとじわじわと効いてくる安心要素と言えるでしょう。
ボルボ
「Volvo On Call」でスマホから位置確認、リモートロック・アンロック、走行履歴の確認が可能。
最新モデルでは、リモートスタートやジオフェンス機能(設定したエリアを出たら通知)が搭載され、盗難時の初動対応に有効です。
テスラ
テスラの盗難に対する対策は、輸入車メーカーの中でも特に力が入っています。
「セントリーモード」による監視と録画機能が強力。駐車中に不審な動きがあると、警告音と共に録画されスマホに通知されます。
また「ドライブ用PIN」を設定すると、車両のタッチスクリーンに暗証番号を入力しないと始動できないようになります。
テスラはテクノロジー企業と言われるだけあって、このほかにも高度なセキュリティシステムを備えています。
自分でできる最新の盗難対策
とはいえ、盗難対策のために新車に乗り換えるのはナンセンスですし、いま乗っている車を手放したくない!という方も多いことでしょう。
そういった場合に有効な「自分でできる盗難対策」をこの章ではご紹介します。
電波遮断ポーチ&スリープモード
今や定番の「リレーアタック対策」が電波遮断ポーチです。最近は、スマートキーそのものにスリープ機能が搭載されるようになってきました。
- 電波遮断ポーチに入れる(2,000円前後で購入可能)
- 一部車種(VW・MINIなど)では、キーを一定時間動かさないと自動スリープ
「車内に置いたスマートキーを悪用される」なんてこともあるので、自宅でも油断は禁物です。
あえての“昭和アイテム”
最近、若いオーナーたちの間で「ハンドルロック」や「タイヤロック」が逆に新しいと人気らしいです。
黄色いロックバーが光っているだけで、「この車はひと手間かかりそう」と犯人に思わせることができます。

スマホとつながるGPSトラッカー
市販のGPSトラッカーで人気なのは、たとえば「CarLock」や「MAMORIO」。
小型でバッテリー持ちも良く、スマホでリアルタイムに位置が確認できます。月額数百円で愛車の見守りができるのは心強いですね。
とはいえ、輸入車でも狙われることはある
いままで、輸入車は狙われにくいよ!と言っておいて申し訳ないですが、やはりリスクはゼロではありません。
この章では、狙われやすいモデル、残念ながら狙われやすい地域、盗難被害にあってしまった場合の対処の仕方を紹介します。
狙われやすい例外モデル
- メルセデス・ベンツ/メルセデスAMG Gクラス
- BMW X5 / X7
- ポルシェ カイエン
- ランドローバー レンジローバー

これらはいわゆる「海外でのブランド価値」が高く、盗難されても即現金化できる例外的な存在です。
とくにSUVタイプは、輸出ルートが確立しているため盗難リスクは高めです。
じつは、非常に残念なことに盗まれやすい地域もあります。
- 港湾エリア(千葉、横浜、愛知、神戸などすぐに海外に輸出しやすい)
- 高速IC付近(盗難→すぐ移動がしやすい)
上記のような盗難件数が多い地域に住んでいる方は、監視カメラ付き駐車場や夜間でも明るい場所を選ぶなど日常的な工夫がカギです。
それでも「盗難」されてしまったら
いくら対策していても、100%防げるわけではありません。
万が一盗難されてしまったら、すぐにやるべきことを確認しておきましょう。
- 警察への通報(110番)
→ 盗難に気づいたら即座に。車両の特徴・ナンバー・色・状況を正確に伝える。 - 保険会社へ連絡
→ 車両保険に加入している場合は補償対象になります。盗難証明書などの提出が必要な場合も。 - GPS追跡サービスの活用
→ 前述のように、BMWやテスラなどは追跡機能を備えている場合があります。 - SNSや地域コミュニティで拡散
→ 近年ではSNSが発見につながるケースも。写真や情報をまとめて発信を。 - ディーラーや整備工場への連絡
→ 修理の依頼がくるケースがあるため、車台番号などで照会してもらえることがあります。
焦りは禁物です。そうそうに輸出されてしまう前に、これらの対応はなるべく早く行いましょう。
まとめ
輸入車は維持費も高いし部品もすぐ届きません。しかし、その「面倒くささ」が逆に車泥棒から守ってくれているというプラスな側面もあります!
だからといって、「うちは輸入車だから大丈夫!」と思ってしまうのは危険です。
ちょっとした防犯意識と手間を惜しまなければ、愛車との付き合いがもっと楽しく、安心なものになるはずです。