【現地リポート】大阪モーターショー(OSAKA MOBILITY SHOW 2023)
2023年12月8日(金)~11日(月)にインテックス大阪で開催された「第12回大阪モーターショー/OSAKA MOBILITY SHOW 2023」に行ってきましたので、その現地リポートをお届けしたいと思います。
4年ぶりの開催とあり、また東京モビリティショーでは出展のなかったポルシェやマクラーレン、意外?なところではアストンマーチンも参加するとあって開催前から注目度が高く、4日間の入場者数は実に25万人を記録したそうです。
筆者も行く前から「メルセデスは抑えるとして、マセラティとランドローバーも見て、あと三菱の新型トライトンも見ておきたいし、二輪車はインディアンと…ロイヤルエンフィールド出展してるじゃん!」なんて、外車バトンの主軸と離れた個人的興味で期待しまくりでした。
いざ、大阪モーターショー会場へ!
参加したのは最終日、平日とあってかそれほど混雑することもなくスムーズに入場できました。
会場は7つに分かれ、飲食ブース(1)を除いたそれぞれの会場は、国産車メーカー・輸入車メーカーの展示ブースが混在しているよう。
ひとまず、(2)から順に展示ブースから順に見ていくことにしました。
輸入車は実用向けのEV車がメインの展示
今回の大阪モーターショーでは、数多くの輸入車メーカーが出展していましたね。
東京モビリティ―ショーでは参加のなかったメーカーもあり、特に日本では代理店の少ないメーカーも出展しており見ごたえのある内容でした。
ボルボの注目はコンパクトSUV
最初に向かったのは、ボルボの展示ブース。
ボルボと言えば、一昔前は車体が大きいイメージがありましたが、今回一番注目を浴びていたのは「EX30」。ボルボ最小のコンパクトSUVです。
日本の複雑な道取り回しがしやすい全長(4,235mm)と全幅(1,835mm)や、全高も1,550mmと低く立体駐車場でも駐車が可能というサイズ感。
ボルボのブースのメインスペースに鎮座しているだけあって、多くの人が代わる代わる乗車していました。
ポルシェの斬新なアートカー
ポルシェのブースでは、人気のタイカンとE-ハイブリッドのカイエンが展示される中、ひときわ目を引く車両がありました。
ポルシェ誕生75周年を記念してつくられたアートカー。アメリカの美術作家Kavas氏によるペインティング車両です。
実際にボディにペインティングが施されていて、一見するとストリートアートのよう。ポルシェの攻めた遊び心が伝わりますね。
BMWの個性あふれるキドニーグリル
個人的にBMWについては、性能やデザインよりキドニーグリルが気になってしょうがない。
今回も3車種が展示されていたのですが、そのデザインもそれぞれ異なっていて、それを見るのが楽しみでした。
筆者が気になったのは「i7」。EV車においてはもはやグリルは必要ないのでは?というところを、敢えての巨大化&超主張!もはやBMWの唯一無二のデザインとして定着しているから面白いですね。
ちなみにキドニーとは英語で「肝臓」という意味。形が肝臓に似ているからだそう。
やっぱりかっこいい!メルセデスAMG
一応お仕事という名目なので、当然メルセデスのブースにも行ったわけですが、やはりメルセデス・ベンツ、メルセデスAMGは人気ですね。多くの来場者が代わる代わる運転席に乗車をしている光景が印象的でした。
特にメルセデスAMGはデザインが刷新されたばかりとあって、既存モデルとの違いやデザインの細かいところまでチェックしている方が多かったように思います。
個人的にお気に入りだった箇所は、ヘッドライト横のmercedesbenzのロゴ。しかもLEDで光るんです。こんな細かいところにもデザインが施されているのがおしゃれですね。
フータンはビスポークを展示
以前、大阪のショールームにお邪魔したスペインのコーチビルダー(改造車体メーカー)のフータン(HURTAN)も出展していました。
フータンと言えば、マツダのロードスターをベース車両としたクラシックスタイルのボディデザインが特徴的。
以前拝見したときはヘリテージというモデルでしたが、今回展示されていたのはビスポークというちょっとスポーティーなタイプ。とは言っても全体的にはクラシックな印象で、ここ近年の旧車ブームもあってか多くの人が足を止めて見入っているのが印象的でした。
やはりアイコニックを感じるアストンマーチン
現代のクラシックカーといえば、個人的にはアストンマーチンだと思っているのですが、今回の展示モデルDB12もスポーツカーでありながら、やはりイギリスの古き格式を感じさせるデザイン。
さすが自らアイコニック(肖像・象徴)をコンセプトとしているだけありますね。
デザインもですが、今回特にボディーカラーに目を奪われました。
塗料のパールが角度によって微妙に色が変化するのですが、これみよがしでない絶妙な変化で上品。ついついいろんな角度からその変化を楽しんでしまいました。
シンプルに魅せるマクラーレン
マクラーレンンはやっぱり人気でしたね~。特にスポーツカーに興味がない人でも必ず見ておきたいブースなのではないでしょうか。
かくいう私も、特別スポーツカーを運転したいという欲求はないのですが、やはりそのデザインフォルムの美しさは見たいと思ってしまうもの。
ブース全体は至ってシンプルになっているのも、車両自体の造形を際立たせるためだということが分かります。
羽根を広げたようにガルウィングを上げた展示スタイルは、マクラーレンならではの孤高を感じさせます。
国産メーカーが攻めている!
輸入車はヨーロッパのEV(電気自動車)シフトの影響もあり、やはり軒並みEV車両がメインで展示されていましたが、国産車もEVをはじめとしたPHEVのモデルがメインの展示となっていました。
そんななか特徴的なのは、どの国産メーカーも斬新なデザインの車両が多かったこと。実用向けの車両が多かった輸入車メーカーに比べると、国産車はコンセプトカーをメインとした展示車両が多く見受けられました。
ここで個人的に気になったメーカーと車両を紹介していきたいと思います。
アウトドア攻めのトヨタ
トヨタといえば、てっきりクラウンやプリウスなどのセダン系をメインにもってくると思っていたのですが、トヨタのブースでひときわ目を引いたのは、ランドクルーザーやハイラックスなどの大型SUV。
コンセプトカーはキャンプ利用をイメージした展示の大型バン。アウトドア感を前面に押し出した展示スタイルでした。
ランドクルーザーなんて、最初「これ、新しい車かな?」と思ったほど、スポーティーでスマートになっていて、最初ランクルなんて分かりませんでした。
日産のコンセプトカーが斬新すぎ
今回、一番攻めているなと感じたのが日産でした。というか、コンセプトカーでまとめたって感じですかね。
これでもかといわんばかりにビッグサイズの車体のコンセプトカーが多数展示され、このあと実用車としてどのような車両に仕上がるのかちょっとワクワクさせられました。
フロントは大きくせり出しタイヤもビッグサイズで、昨今のコンパクトSUVの流れに逆行するかのような主張の強い車両ばかりだったのが印象的でした。
下の写真のコンセプトカーハイパーツアラーなんか、「ヘッドライトやウィンカーどこ?」と思っていたら、フロントの格子状になった黒い部分がグラデーションのように光るんです!
現時点では実用に至る仕様ではないけど、実用車になった際はどのような表現になるのか楽しみですね。
三菱はトライトンがお目見え
今回、私の中で一番見たかった(外車専門のサイトなのに…ごめんなさい💦)のが、2024年に発売が決定しているトライトン!ようやく実車を見ることができました。
SUV人気の次にくるという噂?のピックアップ車両。来年はトヨタもハイラックスの新モデルを発売するとあって、今ピックアップ市場が熱くなってきています。
トライトンはご存じの人も多いかと思いますが、もともとは日本で販売されていたのですが、現在はタイで生産されている輸入車専門の車両。
それがモデルチェンジを経て12年ぶりに日本でも再販されるとあって、アウトドア好きの間で注目をされているのです。
デザインは洗練されながらも無骨さも残っていて、さすがパジェロを排出した三菱らしい力強さを感じさせます。販売される日が楽しみですね。
コペンがかわいいダイハツ
ダイハツのブースでは何といってもコペンの可愛さに目が留まりました。
2002年、初めてコペンが販売されたときは「軽のオープンカーなんて売れるの?」なんて思っていましたが、その意外性から話題になり、案外街中でも見かけることがありましたね。
そのコペンのコンセプトモデルなのでしょうか。日産のフィガロのようなパイクカーっぽいデザインにシンプルな装飾は、まるで超小型モビリティのようにも見えます。
マツダのRX-7はやっぱりかっこいい!
日本車の中でもひときわ賑わっていたのがマツダのブース。というのも、派手な360度回転で魅せに魅せまくったRX-7の展示スペース。
RX-7といえばトヨタ2000GTと人気を二分し、日本を代表するスポーツカーであることは周知ですが、これできっと世間は「とうとう復活?販売はいつ?」ときっと期待すること間違いないですね
前出情報ではEV車両として開発されているとのことですが、ヘッドライトはスポーツカーを象徴するリトラ仕様のようで、これもファンにとってはポイントが高いですね。
二輪車の展示はコンパクトなブース
バイク好きな筆者としては、当然二輪車もぜひ見ておきたいということで、どんな新モデルが展示されているんだろうと期待しながらブースを訪れたのですが…思ったよりこじんまりとしていました。
二輪メーカーは1つのブースにまとめられ各メーカーからの出店も1台程度。
今回のモビリティというテーマを考えると、いまだに電動化は出遅れている(というかそもそもバイクに乗る人に電動バイクの需要が薄い?)バイク市場はちょっと場違いだったのかな、とちょっと残念な気分にもなりましたが、私のお目当てハーレーダビッドソンやロイヤルエンフィールドはしっかり見てきました。
カフェレーサースタイルながらカウルもついてサーキット仕様のようですね。基本旧車が好きな筆者は、ちょっと旧車テイストもあって1970年代のCB400っぽい感じがしなくもない?と思ってみていました。
ベスパはそれほどデザインに変化はないっぽいですね。往年のクラシカルなデザインを継承しつつ、カラーリングがかわいいのがベスパ人気の要因の1つでもありますね。
モビリティは空飛ぶ飛行機が展示
イベントの名称も今回から「モーターショー」から「モビリティショー」に変更されたとあって、超小型モビリティや、車に限らずAIやソフトウェア、車をとりまくモビリティ全般をテーマとした内容になっていました。
なかでも2025年開催予定の大阪万博で注目されている「空飛ぶ飛行機」として、カギを握っているとうさわの「AirX」が展示されていました。
総評
今回のリポートでは一応全ブースを見ようと急ぎ足で回ったため、じっくり見学することはできなかったのですが、全体的な所感としては各メーカーともシンプルな展示だと思いました。
ブース全体の世界観を抽象的に表現するのではなく、車やモビリティそのものを単体で見せているといった感じですね。
おそらくですが、よりモビリティという概念をより生活やとりまく環境にイメージさせやすくするためだと思いますが、その点においてはテーマとしては成功ではないでしょうか。
まだまだいっぱい写真を撮っていて、今回触れなかったキャンピングカーやカスタムカーについてもお届けしたいところですが、これは次回の記事に持ち越し予定とします。
ちなみに、来年2024年2月10日~12日には同じインテックス大阪で「オートメッセ大阪」が開催されます。
こちらはカスタムカーを中心としたイベントですが、機会があればこちらもリポートをお届けしたいと思います。