BMW MINIの歴史と主なモデル&限定モデル
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丸みを帯びたフォルムにカラフルなカラーリング、日本でも乗りやすいコンパクトな車体が特徴の「BMW MINI」。
輸入車における新車登録台数は、直近7年連続首位となっており強い人気がうかがえます。
今回はそんなBMW MINIの歴史や人気の理由、人気のモデルなどについて見ていきましょう。
BMW MINIの歴史
2001年に発売開始された「BMW MINI」。BMWという名の通り、現在はBMW傘下のカーブランドとなっていますが、旧車好きの人には「ミニ・クーパー」という名前の方が印象深いかもしれません。
さらにその前身ブランドである「MINI」は1959年に英国で誕生しています。
それでは現在にいたるまでの歴史を詳しく見ていきましょう。
英国で誕生し、セレブに愛されるブランドに
BMW MINIの歴史は、1959年にイギリスの自動車会社・BMC社(British Motor Corporation)から前身ブランドであるMINIが誕生したことにさかのぼり遡ります。コンパクトながら広い室内空間、そして当時としては珍しい前輪駆動の車は革新的と言われましたが、一般ユーザーにはなかなか受け入れられませんでした。
しかし、ビートルズのメンバーやデヴィッド・ボウイ、エリック・クラプトンなどのミュージシャンや、イギリス王室のエリザベス女王など著名人がMINIを愛用していたことで、一般ユーザーにも一躍人気となります。
MINIは日本の支えのおかげで生き残った!?
世界中で愛され、特に日本で人気のあったMINIですが、1970年代には経営不振に陥り、1980年代にはBLMC(旧BMC)から分社したローバー社のブランドとなります。
ローバー社となったその後も世界市場では不振は続きましたが、1980年代から日本で始まったMINIブームにより生き残ることができました。
今でも圧倒的な人気を誇るミニのグレード「Cooper(クーパー)」は、1990年代に日本市場がローバー社に交渉して復活させたモデルで、現在もMINI Cooperは世界中で愛されています。
BMWが買収し、新しいMINIに
BLMCに替わってMINIを販売していたローバー社ですが、メーカー全体としては経営不振が続き、1994年にはドイツのBMW社の傘下となります。
その後、BMWはローバー社のブランドからMINIだけを残し、2001年「BMW MINI」ブランドとして第1世代モデルの販売を開始しました。
BMW MINIとなってからは、それまでのローバーミニのコンセプトは残しながらも時代や流行に合わせた大幅な変更が行われ、BMW社から販売されたMINIは「BMW MINI」または「NEW MINI」と呼ばれています。
BMW MINIはメーカー名?ブランド名?
前述した通り、もともとMINIは1959年にBMC社から発売されたブランド名であり、現在はBMW社から販売されているブランド名です。つまり、メーカー名が「BMW」、ブランド名が「MINI」なのです。
ちなみに「MINIといえばCooper」というほど有名なクーパーはグレードの名称。
現在MINIには「MINI One」「MINI Cooper」「MINI Cooper S」「MINI John Cooper Works」の4つのグレードがあります。
BMW MINIの特徴
性別問わず幅広い層から愛されるBMW MINI。どのような特徴がファンを惹きつけるのでしょうか。
丸みを帯びたボディフォルム
街中で見かけると、ひと目でBMW MINIだとわかる丸みを帯びたボディフォルムが最大の特徴です。
丸目ライトや足回りのエクステリアデザインは、ローバー社時代のMINIのクラシカルな雰囲気は残しつつ、時代に合わせてアップデートしたのがこのフォルムです。
ローバー社時代よりサイズアップ
ローバー社時代は軽自動車よりも小さいサイズでしたが、BMW MINIはコンパクトカー程度の大きさにサイズアップされました。
これによりエアバッグや安全機能の搭載など、安全性・機能性が格段にアップしました。
カラーバリエーションが豊富
BMW MINIは、ほかのカーブランドでは類を見ないほどカラーバリエーションが豊富です。
ボディ本体の色を選べるだけでなく、ルーフトップの色や、ホイールキャップの色・デザイン、ボンネットストライプなど、好みのエクステリアにカスタマイズのも人気の理由です。
BMW MINIの主なモデル
世界でもひときわ日本での人気が高いMINIには、どのようなモデルのラインナップが揃っているのか見ていきましょう。
MINI 3DOOR(ミニ 3ドア)
MINIの基本的なモデルで、3ドアの4人乗りのコンパクトカーです。
そのコンパクトなサイズ感から、狭い市街地での走行もコントロールしやすく、街乗りにおすすめです。
また、低重心の設計になっており、ハンドリング性能が高く、高速のドライビングも楽しめるので、走りを楽しみたい方にもおすすめです。
MINI 5DOOR(ミニ 5ドア)
現在ではメインのモデルとなっているのが「MINI 5DOOR」で、5ドアの5人乗りのコンパクトカーです。
グレードによって多少異なりますが、「MINI 3DOOR」より全長が160mm長く、室内空間やラゲッジルームにゆとりがあります。
ハンドリング性能はMINI 3DOORと変わらないので、狭い道や駐車場などでの運転もスムーズに行えます。
家族や友人を乗せて走る機会が多い人におすすめです。
MINI CONVERTIBLE(ミニ コンバーチブル)
4人乗りのオープンカーである「MINI CONVERTIBLE」。
MINIらしいコンパクトなサイズ感ながら、充分なラゲッジルームも確保され、後部シートを倒せばさらに荷物のスペースが拡大可能です。
屋根の幌はソフトトップですが、SDK生地を採用した頑丈な設計となっています。
オープンカーの主流である乗りの場合、同乗者も荷物も乗せられる数が限られてしまい、日常使いが難しいのですが、この4人乗りの「MINI CONVERTIBLE」はオープンカーを日常使いにも対応したい人におすすめです。
MINI CLUBMAN(ミニ クラブマン)
クラシックMINIのエステート版として誕生したMINI CLUBMAN。
ステーションワゴンタイプの車で、現行モデルでは4ドア+ハッチバックとなっています。バックドアが観音開きになっているのが特徴で、足をバックドア下部に付いているセンサーにかざすと、左右のバックドアが自動開閉されるため、荷物で手が塞がっている時などに大変便利です。
ファミリーユースや買い物の機会が多い人におすすめの車です。
なお、2023年に生産終了となり、現行型の販売をもって新車販売は終了となります。
MINI CROSSOVER(ミニ クロスオーバー)
MINIシリーズのSUVモデルとなります。
見た目はクラブマンと似ていますが、こちらはルーフレールが標準で装備され、随所にアウトドア向きの仕様が施されています。
また若干ボディサイズも大きく設計されており、MINIの中で一番大きいモデルとなっています。
エンジンはガソリンエンジン・ディーゼルエンジン・プラグインハイブリッド(PHEV)の3種類が展開されています。PHEVの場合、フル充電状態で約53kmのEV走行が可能で、ガソリンエンジン走行でも14.8km/Lと燃費も上々。さらにMINIらしい俊足な走行性も保たれています。
5人乗りで充分なスペースがあるので、ファミリーユース方にもおすすめのモデルです。
BMW MINIの限定モデル
BMW MINIでは常時販売されいてる定番モデルのほか、限定モデルが販売されることもあります。貴重な限定モデルもチェックしていきましょう。
MINI JOHN COOPER WORKS GP.(ミニ ジョン クーパー ワークス GP)
今までに3回販売されたことのある限定モデル「MINI JOHN COOPER WORKS GP.」。
高機能エンジンを搭載し、力強く高速な走りを楽しめるスポーツカーモデルの「MINI JOHN COOPER WORKS」を、更にサーキット向けにチューニングした希少なモデルです。
第1弾が2006年(世界限定2000台、うち日本160台)、第2弾が2013年(世界限定2000台、うち日本200台)、そして最新の第3弾が2019年(世界限定3000台、うち日本240台)に販売されており、いずれもあっという間に完売。
現在購入するには中古車のみとなりますが、その限定販売数からもわかるように、中古車として出回る数もかなり限られた貴重なモデルです。
最新の第3弾は、最高時速は265キロ、0-100キロ加速は5.2秒と先代を大きく上回るハイパフォーマンスなモデルです。
また、先代までは6速MTとの組み合わせのみでしたが、制御が最適化された8速ATとの組み合わせとなっており、より速さを追求した仕様となっています。
MINI CLUBMAN FINAL EDITION(ミニ クラブマン ファイナル エディション)
2023年に生産終了となった「MINI CLUBMAN」。その最終モデルとして限定販売されたのが「MINI CLUBMAN FINAL EDITION」です。
ガソリンモデルのMINI COOPER S FINAL EDITIONとディーゼルモデルのMINI COOPER SD FINAL EDITION が販売され、MINI CLUBMANは特に日本でに人気が高かったことから、販売台数は世界限定1969台のうち日本に320台が割り当てられました。
カラーリングやシート、フロアマットなどがFINAL EDITION専用の内外装となっているほか、世界限定1969台のうちの1台を示す「1 of 1969」のロゴやバッジが随所に施されています。なお、「MINI CLUBMAN」は1969年にロングホイールベースのステーションワゴンとして誕生したことから、販売台数が1969台となっています。
日本で揺るぎない人気を誇るBMW MINI。実際、MINI時代に諸外国で販売台数が落ち込む中、日本市場向けの改良を重ねたことで、逆に日本では人気が高まったという実績があります。
BMW MINIになってからはボディサイズが大きくなりましたが、ゴーカートフィーリングと称されるハンドリングは健在で、日本の複雑な道路事情にも適した設計なのも人気の理由でしょう。
現在も新車・中古車ともに豊富に出回り、輸入車の中では手が届きやすい価格帯のBMW MINI、次の車購入の候補にぜひ入れてみてはいかがでしょうか。