
車好きだとたびたび目にするコンセプトカーというワード。
よく知っているよ!という人もいれば、市販車は詳しいけどコンセプトカーってまず何?って人もいるのではないでしょうか。
この記事では、じつは謎多き「コンセプトカー」についてそもそも何なのか、見れる場所はどこなのか、実際に市販されるのか、など気になる情報をご紹介します。
そもそもコンセプトカーって?
コンセプトカーとは、ひとことで言えば「こんな車があったらいいな〜!」とみんなが思える自動車のことを指します。
モーターショーなどで各メーカーが発表し、「ショーカー」と呼ばれることもありました。
コンセプトカーの起源や、最初のコンセプトカーには諸説あり明言できませんが、1950年代から定着したと言われています。
コンセプトカーの中には「それそれ!それを作ってよ!」と言いたくなる魅力的な車もありますよね。
こんな意見はメーカーも百も承知ですが、コンセプトカーがそのまま市販されることは稀です。
例えば、空力や安全上などさまざまな法律やしがらみによって難しいのが実情です。これらの問題を取っ払い、非現実なかっこいい〜を追求し展示するのが『コンセプトカー』なのです。
とはいえ、よっぽど非現実的でない限り、そのコンセプトカーのエッセンスが加えられた市販車が登場する例は少なくありません。また、ほぼそのまま市販化されたのでは!?といった車もあります。
それはなぜかというと、コンセプトカーにはざっくりと2つの役割があるからです。
コンセプトカーの2つの役割
1つは市場の反応を見るため。そして1つは企業のイメージアップとしてです。
前者の場合は、通常2~3年かかると言われる車両開発において、事前に市場の反応を見るためです。
メーカーのデザイン部門の先行開発チームが、将来を見越して新たなコンセプトの車両を企画・デザインし、数年後の販売で市場に受け入れられるかを見極める場としてコンセプトカーを出展します。
後者のイメージアップについては、ブランドのイメージや方向性をコンセプトカーを通してアピールするためです。
いわゆる「ドリームカー」といった非現実的な「かっこいい〜」や「かわいい〜」を追求したコンセプトカーが生まれるのです。
コンセプトカーが見れる場所
では、実際にコンセプトカーを見られる場所はどこでしょうか?多くの場合、「モーターショー」や「オートショー」で見ることができます。
モーターショーやオートショーは世界各地で行われており、そのなかでも主要5大モーターショーは、パリ、フランクフルト、ジュネーブ、デトロイト、東京です。そのほかニューヨークや上海、北京も来場者数が多く、近年注目されているショーとなっています。
また多くはありませんが、東京オートサロンでコンセプトカーが発表される場合もあります。
日本のメーカーであれば、モーターショーやオートサロンで展示し終えた車両をメーカーの持つギャラリーで展示することも多いです。
実際にコンセプトカーを見てみたい!という方は、モーターショーに行くかメーカーが持つギャラリーのホームページでみることもできます。
コンセプトカーが実際市販された例3選
では、コンセプトカーが実際にそのまま販売されることはあるのでしょうか?その答えは「Yes!」です。
ここからは気になるコンセプトカーが実際に市販された例を3つ紹介したいと思います。
どの車両も車ファンにはお馴染みの車両ですが、コンセプトモデルからいかにして市販化されたかなどの注目点も紹介していますので、ぜひ読んでみてください。
アウディTT
1998年に量産が開始され、2023年に四半世紀の生涯を閉じたアウディTTは、スポーツカーとして3世代にわたり人気を博しました。
そんなアウディTTのコンセプトモデルが発表されたのは、1995年のIAA(フランクフルト・モーターショー)でした。
そのコンセプトモデルを見た人々は「この車をそのまま量産すべきだ!」といった反応だったようです。
モデル名のTTは、モーターサイクルレースとして最も有名なレースの1つである「マン島TTレース」も連想させてくれます。
スポーティなイメージを印象付けるフォルムとその大きな反響から、アウディは1995年の12月にはアウディTTクーペの量産が決定しました。
コンセプトモデルからの変更点は、大きなところでもリアサイドウィンドウが設定され、スポーツカーとしてよりダイナミックに見えるようになった点くらいで、ほとんどそのまま市販化されたことも評価が高かった理由です。
アウディTTクーペは現代までファンも多く、3回の世代交代でも大きなデザイン変更がなかった点から、もとのデザイン力の高さが伺えますね。
ポルシェ カレラGT
2000年の9月にパリ(パリ・モーターショー)で発表されたのが、カレラGTコンセプトです。
モーターショーでの発表前にメディアに登場したカレラGTコンセプトは、ラリー世界チャンピオンのヴァンターロール選手の運転のもと、雨が降る中滑りやすい石畳の上を颯爽と走りシャルル・ド・ゴール広場を周りルーブル美術館へと向かったのです。
この時点で、カレラGTコンセプトの気合の入れようがわかりますが、案の定ポルシェはカレラGTコンセプトを2003年にはほぼそのまま市販化しました。
ちなみに市販化までの3年間、コンセプトモデルのポスターを部屋に貼って市販化を今か今かと待ち望んでいたファンがいるとの噂があったほどです。
ル・マンのプロトタイプから派生したカレラGTは、公道で走ることが許されているだけのスポーツカーです。
重量は1,380kg、全高は1,166mmと引き締められたスタイリングで、ドライビングはかなり難易度が高かったとも言われています。
そのためか2006年には生産が終了しています。
BMW i8
i8のコンセプトカーは、2009年のIAA(フランクフルト・モーターショー)でi8コンセプトが発表されました。
当時まだ珍しくもあったプラグインハイブリッドのスポーツカーだということだけではなく、ガルウィングドア、4WDを備えた2+2シーターのi8コンセプトは大きな話題を呼びました。
その後、2013年には再びIAAにてBMW i3とともに世界初公開し,市販化されます。
スポーツカー然としたスタイリングですが、前述の通りプラグインハイブリッドなことに加え、炭素繊維強化プラスチック製のパッセンジャーセルと、アルミニウム製のドライブモジュールなどにより1,500kg未満という軽量化に成功。
スポーツカーのような走行性能にもかかわらず、好燃費を叩き出す近未来的な車だったのです。
そんな先駆者的な役割を担ったi8は、2017年にはロードスターも発表されました。
オープンモデルで2人乗りのi8ロードスターも人気を博しましたが、2020年の4月にクーペ、ロードスターともに販売を終了しました。
販売を期待されたコンセプトカー
ここからは、過去に発表されたコンセプトカーの中でも、独創的で面白い!もしこんな車に乗れたら⋯、いやせめて見るだけでも⋯!と思わせてくれる3台をご紹介します。
メルセデス・ベンツ BIOME
バイオファイバーと呼ばれる超軽量素材で作られたBIOMEは、光合成によって車両が成長するという斬新(すぎる!?)コンセプト。
2010年のロザンゼルス・オートショーにて発表されました。
BMW ジーナ ライト ビジョナリーモデル
2008年に発表されたジーナ ライト ビジョナリーモデル。可動式の基礎構造にはシームレスな布で構成された外皮が特徴的です。
シトロエン GT by シトロエン
グランツーリスモ5とのコラボで2008年のパリ・モーターショーで展示されました。
市販化の噂もありましたが、現時点ではゲーム内の姿でとどまっています。
まとめ
よく聞くけど、実はなんだかわからない。もしくは何のために作っているのかわからないという人も多い『コンセプトカー』について紹介しましたがいかがでしたでしょうか?
コンセプトカーと言っても、市販化に向けてまずは市場の反応を伺うための『コンセプトカー』、メーカー・ブランドのイメージアップや今後のブランディング活動のために概念的に作成される『コンセプトカー』の2つのコンセプトカーが存在します。
東京モーターショーで見て、あまりの近未来的デザインに驚いたコンセプトカーもあったかと思います。
もしかしたら、数年後には本当に街中を走っているなんてこともあるかも知れません。ぜひ長い目で楽しんでみてくださいね。