外車・輸入車のミニバンが欲しい!スライドドアが少ないのはなぜ?
国産車のミニバンにはスライドドアを装備する車種が多く、コンパクトカーからラージクラスミニバンの多くはスライドドアを装備します。
さらに、ワンタッチがスライドドアが開閉する「パワースライドドア」を装備するミニバンに人気が集まります。
狭い場所での乗降性に優れており、後部座席にチャイルドシートを装着する場合、開口部の広いスライドドアは便利で、子育てファミリー層に支持されています。
しかし、輸入車の場合、スライドドアを装備する車種が少なく、ミニバン自体も少ないのはなぜか気になります。
今回は、輸入車のミニバンが欲しいけど、スライドドアの車種が少ない理由や背景について紹介します。
スライドドアのメリット
国産車では、ミニバンに限らず、軽自動車からコンパクトカーまでさまざまな車種でリアドアにスライドドアを装備しています。
狭い駐車スペースでもドアが開けられる、子供が隣の車にドアパンチをする心配がない、子供をチャイルドシートに乗せやすい、電動スライドドアはドアの開閉が楽など多くのメリットがあります。
スライドドアのデメリット
スライドドアはレールをスライドさせるため、劣化し故障した場合の修理代が高くなる点、電動スライドドアをエンジン停止状態で作動させることで、多くの電力を消費しバッテリーに負担をかけます。エアコン、ナビ画面、電動スライドドアなど電力消費量が多くなってますので、バッテリー上がりに注意しましょう。
元々は商用車のためのスライドドア
スライドドアは、トヨタ ハイエースや日産キャラバンなど商用車に装備されていたドアです。
ドアを開けた状態で、前方からも後方からもアクセス容易で、荷物の出し入れに便利です。
2000年代に日本でも一時販売されたメルセデスベンツの商用車「トランスポーター」もスライドドアを持つ商用車です。
日本で外車・輸入車ミニバンが少ない理由
最大の理由は、日本で輸入車のミニバンが売れないからです。
国産車のミニバンは、ほとんどスライドドアを装備し、多くの車種で電動スライドドアを採用しています。
輸入車のミニバンは、ヒンジ式のドアを多く採用し7人乗れるステーションワゴンのスタイルです。国産車のミニバンに対して、シートアレンジの多様性や乗降性では敵いません。
また、日産 セレナやトヨタ ノア、ホンダ ステップワゴンの価格帯で輸入車ミニバンは購入できず、価格面でも不利になります。
乗降性や使い勝手に拘るユーザーは、国産車のミニバンを選ぶ傾向にあります。
さらに、国産車にはドリンクホルダーなどの収納スペースや買い物袋を掛けるフックが多くあります。しかし、輸入車には装備がないまたは少ないケースも少なくありません。
そのため、ドライバーは快適に運転していても奥様など同乗者からの不満が出る可能性も否めません。
外車・輸入車ミニバンのメリットとスライドドアが少ない理由
輸入車ミニバンは、国産車ミニバンと違った良さがあり、国産ミニバンユーザー層とクルマを選ぶポイントが少々異なります。
ヨーロッパでは120km/h以上の速度で長時間走ることが多く、高速走行時の安定感、高速域からしっかりと効くブレーキ、そして高速走行時には燃費が良いのが特徴です。
アメリカは広い大地をゆったり移動することが多く、車体が大きくゆとりがある車種が目立ちます。
多人数乗車可能な実用性に加えて、高速走行に強く、疲れにくい走り、オシャレなデザインと高級感を手に入れたいユーザーにメリットがあります。
国産車のスライドドアミニバンは車高が高く、高速走行で風に煽られやすいのに対して、車高の低い輸入車ミニバンは、風に煽られにくいメリットもあります。
ヨーロッパやアメリカでは、使い勝手に優れたスライドドアミニバンよりも、長距離を快適に走れる車高の低いヒンジ式ドアのミニバンが重宝されます。
日本で買える外車・輸入車ミニバン
日本で買える輸入車ミニバンは、新車の場合、メルセデスベンツ Vクラス、フォルクスワーゲン ゴルフトゥーラン、プジョー 5008が7名以上乗車可能なミニバンです。
中古車の場合は、上記車種に加えて、メルセデスベンツ Rクラス、BMW 2シリーズグランツアラー、フォルクスワーゲン シャラン、シトロエン C4ピカソ、シトロエン グランドC4スペースツアラー、クライスラー グランドボイジャーなどがあります。
ほとんどの車種のリアドアはヒンジ式ドアです。
スライドドアの外車・輸入車ミニバンを紹介
スライドドアを装備する輸入車ミニバンを新車販売を終了した車種も含めて代表的な車種を紹介します。
ボディサイズが大きい車種にスライドドアが装備される点が共通点です。
フォルクスワーゲン シャラン
3列シート7人乗りのフォルクスワーゲン シャランは、全長4,850mm、全幅1,900mmを超えるミニバンで、同じ3列シート7人乗りでヒンジドアのフォルクスワーゲン ゴルフトゥーランと比べて大きなボディサイズを持ちます。
パワーと経済性を両立した1.4TSI(ガソリンターボ)エンジンとディーゼルの2.0TDIを用意。電動パワースライドドアやパワーテールゲートを装備し高級感を高めたモデルでしたが、2023年1月で新車販売終了しています。
メルセデスベンツ Vクラス
メルセデスベンツのミニバンがVクラスです。全長4,900mm、全幅1,900mmを超える大きなボディサイズで、ロングは全長5,100mmを超えます。
ゆったりとした広い室内で高級感が高く、2.0Lでも力強い走りで経済性に優れたディーゼルターボエンジンを搭載します。
レクサス LM500hよりもお求めやすい価格ですが、トヨタ アルファードより高額です。
クライスラー グランドボイジャー
日本への輸入は2011年2月で終了したグランドボイジャーは、大きなアメ車ミニバンを好むユーザーに人気です。全長5,100mm、全幅2,000mmを超える大きなボディが特徴です。
V6 3.8Lエンジンは、全ての速度域で豊かなトルクを発揮する力強いエンジンでストレスフリーな長距離移動を約束します。ただし、燃費が実際には4~5km/Lの点はご了承ください。
そのほかおすすめのスライドドアの輸入車
ルノー カングー、プジョー リフター、シトロエン ベルランゴ、フィアット ドブロがあります。
このうち、プジョー リフター、シトロエン ベルランゴ、フィアットドブロは同じステランティスグループで兄弟車になります。ステランティスと協業しているトヨタ プロエースシティ(日本未導入)も兄弟車です。
元々は商用車ベースですが、しっかり疲れにくい前後席シートと、後席の足元と頭上空間にゆとりがあり、3列シート不要のファミリー層に人気です。
いずれも、乗降性に優れたスライドドアをリアドアに採用していますが、開閉は手動で行う必要があります。
外車・輸入車ミニバンが買取で人気の理由
輸入車ミニバンは、中古車市場で人気があるため、買取価格は安定しています。
中古車価格は新車価格と比較してお求めやすく、長距離走行でも疲れにくく、ミニバンなのにハンドリングも楽しめる輸入車ミニバンの中古車は人気です。
各車種一定の価格までは下がりますが、人気があるため、買取価格が維持されます。
質実剛健なドイツのミニバン、オシャレなデザインを楽しむフランスのミニバン、ゆったりと長距離移動をたのしむアメリカのミニバン、どの車種を選んでも国産車にはない独特の個性があり、みんなと同じではつまらないと感じるユーザーに輸入車ミニバンはおすすめです。
外車・輸入車ミニバンがおすすめな人とは
多人数乗車の機会はあるが、走行性能や長距離移動を重視したい人、周りの人と同じような車種に乗りたくない人、他人と違ったクルマに乗りたい人、とにかくおしゃれなデザインで、高級感も捨てがたい人、輸入車の場合、消耗品交換サイクルが早いので、メンテナンス費用もしっかり確保できる人、このような人は、輸入車ミニバンライフを楽しめるでしょう。
新車のみでなく、中古車も探すことで、車種や価格帯が大きく広がり、希望のクルマを見つけることができます。