輸入車の維持費は高い？維持費を抑えるコツとコスパのいい輸入車

輸入車の維持費は本当に高い？その理由は？

輸入車についてインターネットや口コミを調べると、「輸入車は国産車と比べて維持費が高い」という声が多く見られます。それは実際のところ事実なのでしょうか。
そして、なぜ維持費が高いと言われているのでしょうか。

輸入車は国産車と比べて維持費が高いのか

結論から述べると、車種によって異なるため、一概に輸入車の方が国産車より維持費が高いとは言えません。
しかし、維持費が高くなる条件が重なる可能性は、国産車より輸入車の方が高いと言えます。

「輸入車の方が国産車と比べて維持費が高い」と長年言われてきた大きな理由として、故障が多いことが挙げられます。
たしかに一昔前の輸入車は、生産国の気候や車の使い方・考え方に適した現地仕様の車をそのまま日本に輸入していたため、日本の環境下では故障が多く、修理頻度が多くなりがちでした。

しかし、近年の輸入車は、日本仕様の車が増えたり、開発段階から他国に輸出することを前提に設計したりしているのです。
そのため以前と比べて故障することも少なくなり、国産車との修理頻度の差が縮まってきています。

それでは、どんな場合に輸入車の方が国産車より維持費が高くなるのか、以下より詳しく見ていきましょう。

修理費が国産車より高額になる場合が多い

輸入車が故障した場合の修理費は、故障部位や修理業者によって異なりますが、一般的に国産車の修理費よりも高額となるケースが多いです。

その理由は「部品代が国産車よりも高額だから」です。
修理に必要な部品の在庫が国内の整備工場などになく、海外から取り寄せる場合、輸送費がかさみ、国産車の部品代と比べて高額になってしまう場合が多いです。
特に直近の円安により、海外の部品代や輸送費はさらに高額になっていると考えられます。

また、「修理工賃が国産車よりも高く設定されている場合が多い」という一因もあります。
修理に必要な工具を海外から取り寄せる、国産車よりも複雑な修理を行う手間がかかるなどに加え、整備工場によっては特定のエンジニアしか輸入車を修理できないなどの理由から、国産車を修理するよりも工賃が高くなる傾向にあります。

燃料費が国産車より高額になる場合が多い

燃料について、国産車はレギュラーガソリンが主流ですが、輸入車はハイオクガソリンが主流です。日本では、レギュラーよりハイオクの方が1リットルあたり約10円ほど高く販売されているため、ハイオクを使用する輸入車の燃料費は国産車よりも高くなるケースが多いです。

なお、近年の輸入車は環境に配慮した車も増えており、なかでもクリーンディーゼルエンジン搭載車が数多くリリースされています。
クリーンディーゼルエンジン搭載車の燃料は軽油となっており、軽油はレギュラーよりも1リットルあたり約20円ほど安くなっています。

しかしクリーンディーゼルエンジン搭載車は、長距離運転で燃費の良さを発揮するという特徴があり、ストップ＆ゴーを繰り返すことが多くなる市街地においては、ハイブリッドカーの方が十分に燃費性能が発揮されると言えます。

したがって、日本の走行環境においては、信号の少ない道や高速道路を頻繁に走行する人以外、国産車のハイブリッドモデルの方が燃費がよいと言えるでしょう。

重量税が国産車より高額になることもある

新車登録時や車検時に支払う自動車重量税は、車両重量が重くなるほど、支払う金額が大きくなる仕組みとなっています。輸入車だからといって重量税が割増しになることはありませんが、国産車と比べて車体が大きいことの多い輸入車は、重量も重いことが多いため、重量税の金額が高くなる可能性も大きくなります。

自動車保険料が国産車より高額になる場合が多い

自動車保険料については、輸入車だからといって保険料が高くなることはありません。
しかし、輸入車は「国産車より購入価格が高いことが多い」「国産車より車両保険の料率クラスが高いことが多い」という2つの理由から、国産車より保険料が高くなることが多くなっています。

まず「国産車より購入価格が高いことが多い」という点は、自分の車が故障し、修理したり買い替えたりする際の補償をする車両保険の金額に影響を及ぼします。
車両保険は、車が事故に遭い、買い替えが必要な場合に同等クラスの車を購入できるよう、基本的にはその車の購入時の価格を設定します。
設定する価格が高ければ高いほど、車両保険の保険料の金額も上がっていきます。
したがって、国産車と比べて購入費用の高いことが多い輸入車は、車両保険の保険料の金額も高くなりがちです。

また、「国産車より車両保険の料率クラスが高いことが多い」という点について、車の保険料は車の型式ごとの事故統計データに基づいた「型式別料率クラス」によって定められています。
型式別料率クラスには4つの区分があり、そのうちの1つの車両保険の料率が国産車より輸入車の方が高い傾向にあります。
それは、輸入車の方が国産車より修理費や工賃が高いことが原因となっています。
「この型式の車は事故時に高額の修理費や工賃が発生した」というデータが蓄積されるため、車両保険の料率が高くなり保険料も上がるのです。

輸入車の維持費を安く抑えるコツ

国産車よりも維持費が高くなる条件が重なりやすい輸入車。
そんな輸入車を所有するにあたって、維持費を少しでも安く抑えるコツを見ていきましょう。

排気量が少なく、重量の軽い車を選ぶ

自動車税や重量税などは、輸入車と国産車に関係なく排気量が少ないほど自動車税は安くなり、重量が軽いほど重量税は安くなります。
したがって、排気量が少なく重量が軽い輸入車を選べば、税金の負担額は安くなります。

日本でメジャーな車種を選ぶ

輸入車の中でも日本で人気のあるメジャーな車種を選ぶことです。
その方がディーラーや整備工場に部品や工具の在庫が豊富にあるため、個別で取り寄せる必要がなく輸送費が発生しない可能性が高くなります。
また、整備できるエンジニアの数も増えるため、修理工賃も抑えられる可能性が高くなります。

メーカーのメンテナンスプログラムを利用する

輸入車メーカーの中には、車の購入から一定の期間内であればメンテナンスプログラムを提供しているところもあります。
正規販売店でのメンテナンスや修理を無償もしくは割安料金で受けることのできるため、メンテナンスにかかる費用を抑えることができます。
新車購入時は、できればこのようなプログラムに加入しておくと良いでしょう。

維持費の安い輸入車セダン

ここからは維持費の安い輸入車の車種について見ていきましょう！まずはセダンからご紹介します。

メルセデス・ベンツ Aクラス セダン

メルセデス・ベンツの中でも、新車価格510万円からと購入しやすい価格帯となっており、人気を博している「メルセデス・ベンツ Aクラス セダン」。
輸入車のセダンの中でも比較的コンパクトで、日本でも運転しやすいサイズ感となっています。

「メルセデス・ベンツ Aクラス セダン」が維持費を抑えられるポイントは「燃費のよさ」。WLTCモードで19.1Km/Lと非常に優れた燃費性能となっています。

アウディ A3 セダン

スポーティーでダイナミックなデザインが特徴の「アウディ A3 セダン」。輸入車のセダンの中でも比較的コンパクトで、「メルセデス・ベンツ Aクラス セダン」と並んで日本で人気のセダンとなっています。

「アウディ A3 セダン」が維持費を抑えられるポイントは、やはり「燃費のよさ」。WLTCモードで17.9Km/Lと、数多くあるアウディの車種の中でも優れた燃費性能となっています。

維持費の安い輸入車SUV

ここ近年、世界的に人気を博しているSUV。バラエティ豊かな輸入車SUVの中でも維持費の抑えられる車種をご紹介します。

フォルクスワーゲン T-Cross

「フォルクスワーゲン T-Cross」は、フォルクスワーゲンのSUVの中で最もコンパクトサイズのSUVです。
日本国内の2023年輸入車新車販売台数第2位に輝いた大人気の車種です。全長4125mmと輸入車SUVの中でも最小クラスで、日本の道路環境でも運転しやすいサイズとなっています。8色のカラーバリエーションがあり、好きな色を選べるのもポイントです。

「フォルクスワーゲン T-Cross」が維持費を抑えられるポイントは「燃費のよさ」と「税金の安さ」。燃費はWLTCモードで16.9 km/Lと、輸入車SUVの中でも優れた燃費となっています。また、排気量が999ccと少なく、重量が1270kgと軽いため、自動車税と重量税を抑えることができます。

ルノー キャプチャー

ヨーロッパでは年間新車販売台数ナンバー1を何度も獲得したことがあるほどの人気を博すコンパクトSUV「ルノー キャプチャー」。フランス車らしいコンパクトなサイズ感と優れたハンドリング性能で、運転が楽しくなる車となっています。また、ラゲッジスペースの容量が536Lと、同クラスのSUVの中でも最大クラスとなっており、荷物が積みやすいのもポイントです。

「ルノー キャプチャー」が維持費を抑えられるポイントは「燃費のよさ」と「重量税の安さ」。燃費はWLTCモードで22.8km/Lと、輸入車SUVの中でナンバー1の低燃費となっています。また、重量が1310kgと軽いため、重量税を抑えることができます。

維持費の安い輸入車ミニバン

日本でファミリーカーとして根強い人気を誇るミニバン。輸入車ミニバンの中でも維持費を抑えられる車種をご紹介します。

フォルクスワーゲン ゴルフ トゥーラン

輸入車ミニバンの中でも日本で長年人気を誇るのが「フォルクスワーゲン ゴルフ トゥーラン」。フロントまで大きく、いかつめのデザインが多い国産車ミニバンとは一線を画す、シンプルで流麗なフォルムが特徴の7人乗りミニバンです。「トヨタノア／ヴォクシー」「日産 セレナ」などの人気国産車ミニバンの大きさだと運転しづらいという方におすすめの一回りコンパクトなサイズ感もポイントです。

「フォルクスワーゲン ゴルフ トゥーラン」が維持費を抑えられるポイントは「燃費のよさ」。WLTCモードで16.3km/Lと、人気の国産車ミニバンと比較しても優れた燃費性能となっています。

維持費の安い輸入車コンパクトカー

市街地や狭い道路でも走りやすく、人気の高いコンパクトカー。輸入車コンパクトカーの中でも維持費を抑えられる車種をご紹介します。

フィアット 500

愛らしい見た目と小回りのきくコンパクトなサイズ感で、長年輸入車コンパクトカーの定番人気を博す「フィアット 500(チンクエチェント)」。丸形ヘッドライトとポップなカラーが特徴で、日本では人気アニメに登場したことでも有名です。また、新車価格259万円～と輸入車の中でも手ごろな価格なのもポイントです。

「フィアット 500」が維持費を抑えられるポイントは「重量税の安さ」。重量が990kgと1トン以下の軽さであるため、重量税を抑えることができます。