「長年乗ってきた輸入車だけど、維持費や燃費を考えて次は国産車にしようかな…」
新しい車の購入を検討する際、このように考える方も多いのではないでしょうか。
実は、国産車の購入先ディーラーでそのまま下取りに出すと、あなたの愛車の価値が正しく評価されず、数十万円単位で損をしてしまうケースが非常に多いのです。
この記事では、輸入車から国産車へ賢く乗り換えるための基礎知識と、あなたの愛車を「高く」売却するための最適な方法をご紹介します。
- 国産車ディーラーが輸入車の下取りを渋る「本当の理由」
- 【基礎知識】輸入車から国産車へ乗り換えるメリット
- 【おさらい】国産車と輸入車の「設計思想」の違い
- 【参考】乗り換えても満足!タイプ別おすすめ国産車
- 乗り換え後の注意点:国産車の盗難リスク
国産車ディーラーが輸入車の下取りを渋る「本当の理由」
輸入車から国産車に乗り換える際、多くの方が新車を購入する国産車ディーラーに、そのまま今乗っている輸入車の下取りを依頼します。しかし、提示された査定額を見て「思ったより安い…」とがっかりした経験はありませんか?
国産車ディーラーが輸入車の下取りに積極的でなかったり、査定額が低くなったりするのには、明確な理由があります。
専門知識と販売ルートの不足
国産車ディーラーは、あくまで自社ブランドの車を売買するプロです。輸入車の複雑なグレードやオプション、限定モデルなどの価値を正確に判断する専門知識が不足している場合があります。
また、買い取った輸入車を再販売するための強力なルートを持っていないため、在庫リスクを恐れて低い査定額しか提示できないのです。
相場の変動リスク
輸入車は国産車に比べて中古車市場での相場変動が激しい傾向があります。ディーラーは自社の利益を確保するため、そのリスクをあらかじめ見越して、かなり安価な金額で買い取ろうとします。
【基礎知識】輸入車から国産車へ乗り換えるメリット
もちろん、輸入車から国産車への乗り換えには、売却以外の面でも多くのメリットがあります。乗り換えを後押しする代表的な利点を確認しておきましょう。
維持費(修理・部品代)が安い
国産車は部品代が安価で、国内に豊富な在庫があります。また、日本の気候や交通環境に合わせて設計されているため、輸入車に比べて故障のリスクが低い傾向があり、トータルの維持費を大幅に抑えられます。
また重量税においても、同じ排気量の車で比較しても輸入車より国産車の方が軽量なケースが多いため安く済みます。
燃費性能が高い車が多い
国産車が最も得意とする分野。国産車では街乗りで燃費の良さを発揮する「ハイブリッドモデル」が主流である一方、輸入車は長距離運転で燃費の良さを発揮する「ダウンサイジングターボ」や「クリーンディーゼルエンジン」が主流となっています。
特に市街地でのストップ&ゴーが多い日本の道路環境では、ハイブリッドシステム(HV)やプラグインハイブリッド(PHEV)の燃費性能が光ります。
修理が早い
輸入車を修理する場合、修理に必要な部品や工具が国内の整備工場などになく、海外から取り寄せることもあり、部品や工具の到着に時間を要する可能性があります。
一方で、国産車は万が一故障した際も、部品の取り寄せで何週間も待たされる…といったケースは稀です。ほとんどの部品が国内で迅速に手配できるため、修理が早く完了し、車を使えない期間が短くて済みます。
保険料が割安になる傾向
「輸入車は保険料が高い」という噂を耳にすることがあるかと思いますが、これについては半分正しくて半分違うとも言えます。これには保険料の決定に、「型式別料率クラス」というものが適用されていることが関係しています。
これは事故率や修理費の高さで決まるため、一般的に修理費が高額になりがちな輸入車は料率クラスが高く、保険料も高くなる傾向があります。同等クラスの国産車に乗り換えることで、保険料が安くなる可能性が高いです。
[関連記事]
【自動車保険】オーナータイプ別のおすすめ保険プラン

【おさらい】国産車と輸入車の「設計思想」の違い
そもそも、国産車と輸入車では、車づくりにおいて重視するポイントが異なります。
国産車が重視する点
国産車が重視しているポイントは「燃費性能」と「コストパフォーマンス」です。
日本では、ハイブリッドカーなどのエコカーが開発される以前から低燃費・軽量化を目指して技術革新してきたことから、輸入車と比べて全般的に低燃費となっています。
また、車を短期間で乗り換える習慣がある日本では、同等クラスの車種でも輸入車より50~100万円ほど購入価格が安くなっています。
輸入車が重視する点
一方、輸入車が重視しているポイントは「高速走行での安定走行性」と「デザイン性」。
「高速走行の安定性」と「デザイン性」 制限速度が100km/hを超えるような高速道路を長距離走ることを前提とした、直進安定性やボディ剛性の高さが魅力です。また、ブランドの伝統を反映したアイコニックなデザインや、細部までこだわった内装も大きな特徴です。
どちらが優れているということではなく、この「思想」の違いが、乗り換え後の満足度や維持費の違いに直結します。
【参考】乗り換えても満足!タイプ別おすすめ国産車
輸入車から国産車に乗り換えるにあたって重視したいポイント別におすすめの国産車をご紹介します。
高級感のある車に乗りたい
トヨタ センチュリー
センチュリーは約60年に渡り愛されてきたトヨタが誇る最高級乗用車です。
皇室や世界からの来賓者、官公庁・企業の公用車・役員車として活用される場合が多い、日本でも有数の格式ある車です。
1967年の発売以来、長らくセダンモデルのみが販売されていましたが、2023年9月にはSUVタイプが発売され話題になりました。

CEFICEFI, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons
トヨタ ハリアー
数ある国産SUVの中でもワンランク上の存在感を放っているのがハリアー。
SUVの持つ機能性や機動性を備えながら、高級車のようなラグジュアリーな空間が組み合わさった、新しいジャンルの車として1997年にデビューしました。
現行モデルは水滴をイメージした流線型の洗練された内装や、多機能で上質なデザインのインテリアが特徴的です。
レクサス LM
LMはもとは海外のみでの販売だったレクサス唯一のミニバンで、2023年10月に国内でも販売が始まりました。
レクサス自身が「ラグジュアリームーバー」と謳っているとおり、他の国産車とは一線を画すハイレベルの機能やインテリアが満載です。
オットマンやリラクゼーション機能付きの後部座席、48インチの大型ディスプレイ、冷蔵庫など、まさに動くリビングのような贅沢なミニバンです。

Tokumeigakarinoaoshima, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons
快適性の高い車に乗りたい
トヨタ クラウン
クラウンはトヨタのみならず日本を代表する高級車であり、トヨタの中で最も長い歴史を持つブランドです。
官公庁・企業の公用車・役員車、来賓の送迎車などとして使用されるセダンモデルの印象が強いクラウンですが、現在ではクロスオーバー、スポーツなどのモデルも販売されています。
そして2024年中頃には、待望のワゴンとSUVをかけ合わせたエステートが販売される予定です。
マッサージのようなリフレッシュシート、フットレスト、ヘッドレストピロー、ナノイーXの放出など、クラウンには車内で快適に過ごすことのできる機能が満載です。

Tokumeigakarinoaoshima, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons
トヨタ アルファード
数多くあるトヨタのミニバンの中でもラグジュアリー感がある、ラージサイズのミニバンです。
トヨタのミニバンとして人気のノアやヴォクシーよりも大きなサイズで、室内は広く開放的なため、移動中もゆったりと快適に過ごすことができます。
スライドドアの開け閉めの静粛性やサルーンのような快適な乗り心地など、すべての人が心地よく乗ることのできる設計になっています。
走行性能の高い車に乗りたい
トヨタ ランドクルーザー
日本を代表するクロスカントリーSUVとして、日本のみならず世界各国で人気を集めるランドクルーザー。
最大の特長は、なんといっても「どんな悪路でも走行可能な走行走破性」です。
未舗装路・山道・砂利道・泥道・深雪路・岩場など、他の一般的な自動車では走行不可能な悪路でも走り切ります。
その走行性能の高さは、広大な未舗装路の多い北米やオーストラリア、砂漠を進む中東などでも活用されるほどの実力です。

維持費の安い車に乗りたい
トヨタ アクア
アクアは「世界NO.1の低燃費カー」と謳って2011年に発売されたコンパクトカー。
技術の進んだ現在でも世界トップクラスの燃費性能を保っています。
カタログ燃費はWLTCモード(市街地・郊外・高速道路の各走行モードを平均的な使用時間配分で構成した国際的な走行モード)で 29.3㎞/L~35.8㎞/Lを実現。
低燃費車が多い国産車の中でも圧倒的な低燃の良さで、ガソリン代をかなり節約することができます。
また、アクアはカラーバリエーションが豊富で、自分好みのボディーカラーを選ぶことができるのも魅力の1つ。
シンプルなモノトーン11色と個性的で目を引くツートーン6色が用意されており、どの色にするか迷うほどのバリエーションの豊富さも売りです。
ホンダ フィット
2001年の発売以来、コンパクトカーの定番として人気を集め、海外でも愛され続けている車です(海外での販売名はジャズ)。
カタログ燃費はWLTCモードで、ハイブリッド車が23.5〜30.2km/L、ガソリン車が16.0〜18.7km/Lとなっています。フィットはモデルチェンジを重ねるたびに燃費性能が向上しているので、今後発売されるモデルはさらに燃費が良くなるでしょう。
フィットは小回りがききやすく、運転しやすいサイズながらも、広々とした室内空間があるのも魅力です。
特に後部座席はゆとりがあるためファミリーカーとしてもおすすめです。
三菱 エクリプス クロス PHEV
エクリプス クロスPHEVは、オンロードもオフロードも安定走行できる走行性能の高さで人気を集めるSUVです。
オフロード走行に強いSUVというと燃費性能が低いイメージがありますが、エクリプス クロスPHEVはWLTCモードのカタログ燃費が15.7km/L~16.5km/Lと、一般的なミドルサイズのクロスオーバーSUVと遜色ない燃費を実現しています。
「豪快な走りを楽しみたい、だけど燃費性能も気になる」という方にぴったりのSUVです。
マツダ CX-5
国産車のミドルクラスSUVの中でも、高級感を感じさせる外装が人気のCX-5。
そのディーゼル車は、同クラスのミドルクラスSUVのハイブリッド車と比べても遜色ないレベルの燃費性能。WLTCモードのカタログ燃費が13.9km/L~1.5km/Lとなっています。
なお、乗り方や季節にもよりますが、同クラスのハイブリッドカーの方がカタログ燃費が良い場合でも、ガソリンより軽油の方が安いことを考慮すると、ディーゼル車の方が燃料費を抑えることができるでしょう。
また、エンジン最大出力が190馬力と、競合となる同クラスのSUVよりもエンジン出力が圧倒的に高いため、燃費も走行性も求める方におすすめです。

Qurren (talk) Taken with Canon IXY 430F (Digital IXUS 245 HS), CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons
トヨタ ヤリスクロス
トヨタのコンパクトカー「ヤリス」の兄弟車として2020年8月に販売開始されたコンパクトSUV・ヤリスクロス。
SUVでありながら197万7,000円~という手頃な価格であることもさることながら、ハイブリッド車はWLTCモードのカタログ燃費が30.8km/Lと、同クラスの車の中でも世界トップクラスの燃費性能を持つことも人気の理由です。
シートアレンジが豊富なのでゲージルームも広く使え、自転車を積み込むことも可能。
キャンプや旅行などのレジャーに幅広く使える一台です。
トヨタ シエンタ
トヨタ車で最小サイズのミニバンで、5人乗りと7人乗りが展開されているシエンタ。
そのハイブリッドモデルは、5人乗りでWLTCモードのカタログ燃費が28.8km/L~、7人乗りで28.5km/L~となっています。
特に7人乗りについては、同クラスのミニバンと比べて高い燃費性能を有しています。
また、足先を出し入れするだけでスライドドアが自動開閉する機能である「ハンズフリーデュアルパワースライドドア」を搭載。
子供を抱っこしている時や、たくさんの買い物をした時などの両手ふさがっているときにも開閉しやすく、ファミリーカーとしておすすめの車です。
かっこいい車に乗りたい
光岡自動車 ヒミコ
国産車をベースに個性的な改造を施し、唯一無二の車を製造していることで知られる光岡自動車。
ヒミコはマツダの2人乗りオープンカーである「ロードスター」をベースに、ロングノーズとショートデッキが目を引く一台。
クラシカルな色合いや内外装もヒミコの人気の理由です。
特に2024年モデルでは、メーカーオプションであった七宝焼グリルバッチやカラードアッパートリムを標準装備としたほか、ボディカラーに新色4色を追加した7色展開となっています。
なお、2024年分の生産台数10台についてはすでに完売となっています。

Tokumeigakarinoaoshima, CC0, via Wikimedia Commons
レクサス LC コンバーチブル
LCはレクサスの誇るラグジュアリークーペシリーズで、LC コンバーチブルはその4人乗りオープンカーです。
レクサスならではの高級感あるデザインと爽快な走り心地が特長です。
カラーバリエーションが豊富で、10種類のボディカラー・4種類のインテリアカラー・インテリアカラーに合わせて、ルーフカラーも3種類から選択可能。
これらをそれぞれ自分好みで選ぶことができるため、まさに自分だけのオリジナルとなるお気に入りの一台を作り上げることができます。
日産 フェアレディZ
1969年の発売以来、日本を代表するスポーツカーとして人気を博しているクーペタイプの車。
最新の2024年モデルは6代目の後期型となります。
ワイド&ローなボディ、最大出力298kW・最大トルクは475N・mの力強い走りを楽しめるエンジンと、スポーツカーらしいかっこよさを持つ車です。
さらに専用チューニングを施しパワーアップした「フェアレディZ NISMO」は、フェアレディZの中でも最上級グレード。
現在のところ、すでにフェアレディZを注文したオーナーのみを対象とした振替販売となっていて、さらに価値を高めています。

個性的な車に乗りたい
日産 ジューク
コンパクトサイズのクロスオーバーSUVの先駆けともいえる存在のジューク。
数あるSUVの中でも一度見たら忘れらない個性の際立つ見た目が特徴です。
ボンネットには切れ長の目のような車幅灯があり、丸目のフロントライトがバンパーに装着されています。
また、インテリアも個性的なデザインで、まるでバイクのようなスポーティーな内装となっています。
なお、ジュークは2019年12月で国内生産終了となったため、現在購入できるのは中古車のみとなっています。

光岡自動車 ビュートストーリー
コンパクトカー「トヨタ ヤリス」をベースに、英国車風のデザインに改造したのがビュートストーリーです。
丸形ヘッドランプやハート型グリルなど、前代までの「日産 マーチ」をベースとしたビュートから引き継がれるかわいらしさはそのままに、やさしさの加わったデザインとなっています。
マーチが2022年に販売終了したため、ビュートストーリーも現在は中古車のみでしか入手できない車両となっています。
乗り換え後の注意点:国産車の盗難リスク
最後に、国産車へ乗り換えた後に注意したいポイントが「車両盗難」です。
意外に思われるかもしれませんが、特定の国産車(特にトヨタ・レクサス車)は、その人気の高さと海外でのリセールバリューの高さから、窃盗団のターゲットになりやすいという実情があります。
【特に注意が必要な車種】
- ランドクルーザー
- プリウス
- アルファード
- ハイエース
- レクサス(LX, RXなど)
イモビライザーやハンドルロックの設置など、基本的な盗難防止策は必ず講じるようにしましょう。

まとめ:賢い乗り換えは「高く売る」ことから
輸入車から国産車への乗り換えは、維持費や利便性の面で多くのメリットをもたらします。
その第一歩として最も重要なのは、「今お乗りの輸入車の価値を、最大限に引き出すこと」です。ディーラーの下取りで安易に手放してしまう前に、ぜひ一度、輸入車買取のプロフェッショナルである『外車バトン』にご相談ください。
愛情を注ぎ、大切にしてきたあなたの愛車を、私たちが次のオーナー様へと責任を持って「バトン」をつなぎます。
