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V2Hとは?対応車種を一挙紹介

2024-3-12

地球温暖化対策などの観点から世界的に市場の広がりを見せる電気自動車(EV)。そのEVを有効活用する手段として、今注目が集まっている「V2H」をご存知でしょうか?
V2Hは「EVやプラグインハイブリッド車(PHEV)のバッテリーに貯めている電力を自宅で使用可能にする機器」のことを指します。

今回はV2Hの概要や導入メリット、V2H対応の車などについて詳しく見ていきます。

「V2H」とは

V2Hは「Vehicle to Home」の略で、直訳すると「車から家へ」という意味になります。具体的には、EVやPHEVのバッテリーに貯めている電力を自宅でも使えるようにする機器のことを指します。
V2Hがあれば、自宅からEVやPHEVへ充電できるだけでなく、EVやPHEVのバッテリーにある電力を自宅に給電するという双方向の電力供給が行えるようになります。

似たような設備として「EV充電設備」があげられますが、EV充電設備は自宅の電力を電気EVへと給電する機器のことで、EVの電力を自宅に送り込むことはできません。

V2Hには2つのタイプがある

V2Hには「太陽光蓄電池連系タイプ」と「単機能タイプ」の2種類があります。

太陽光蓄電池連系タイプは、太陽電池・蓄電池・EVを連系させるシステムです。太陽光発電による余剰電力がある場合、EV・蓄電池に充電され、さらに余った電力は商用に売電されます。
このように余剰電力を有効活用することができるシステムとなっています。

単機能タイプは、基本的にはEVと自宅のみを連系させるシステムです。太陽電池と連系できるものもありますが、太陽光蓄電池連系タイプより電力の変換ロスが多く発生します。
太陽光発電の電力を最大限有効活用したいのであれば、太陽光蓄電池連系タイプがおすすめです。

V2Hの導入メリット

EVやPHEVを所有している人・これから所有する人は合わせて導入を検討したいV2H。
導入するとどのようなメリットがあるのでしょうか。

従来の約2倍の速さで充電できる

EVは従来、自宅のコンセントか、ガソリンスタンドやパーキングエリアなどに設置されている充電スタンドから充電を行いますが、V2Hを使用して充電する場合、車種にもよりますが約2倍の速度、つまり約半分の時間で充電ができます。

電気代を節約できる

夜間帯の料金が安くなる「時間帯別電気料金プラン」に加入することで電気代の節約ができます。
電気代が安い夜間にEVを充電し、電気代が高い昼間、EVに貯めておいた電力をV2H経由で自宅で使うことができるため、電気代の削減が期待できます。

また、太陽光蓄電池連系タイプのV2Hであれば、日中に使い切れなかった太陽光発電の電力をEVに充電することができます。
さらに、太陽光発電が発電できない夜間や、曇りや雨の日にはEVに貯めておいた電力をV2H経由で自宅で使うことができるため、太陽光発電のデメリットをカバーしながら効率的に電気料金を削減することができます。

災害時の非常用電源として活用できる

台風や地震などで停電した場合、EVの蓄電をV2Hを通して自宅に給電することができるため、災害時の非常用電源として活用できます。
太陽光蓄電池連系タイプであれば太陽光発電も活用できるため、より発電量が多くなり、安心感が高まります。

V2H設置の費用

V2Hを設置する際は、V2H機器の購入費に加えて工事費用が発生します。なお、V2H機器はリース契約もあり、リースの場合は初期費用が発生しません。
購入とリースの一般的な費用は以下の通りです。

購入する場合

V2H機器を購入する場合、V2H機器本体の購入料金のほかに設置工事の費用が発生します。
V2H機器の価格はメーカーや製品ごとに異なりますが、現在トップシェアのV2H機器「ニチコン EVパワー・ステーション」を例にすると、スタンダードモデルが54万8000円(税別)、プレミアムモデルが89万8000円(税別)となっています。

設置工事の費用は、設置する機種や配線の長さ、太陽光発電の有無によって変わります。駐車場が隣接している一般的な戸建住宅の場合、工事費の相場は30〜40万円程度となります。

リースする場合

V2H機器をリースする場合、購入費用・設置工事費用・契約期間中の修理費用などを含めた月額費用が発生します。
メーカーやプランによって料金は異なりますが、「TEPCOホームテック エネカリ」を例にすると、月額14,300円からリースすることができます(契約期間10年間の場合)。

CEV補助金について

CEV補助金は、V2Hを普及させて電力を効率的に活用し、環境貢献や災害対策などを促進・支援することを目的に公募されています。

CEV補助金には2種類あり、経済産業省から交付される「CEV普及インフラ補助金」と、東京都や神奈川県をはじめとする自治体から交付される補助金があります。この2つは併用して受けることが可能です。

交付条件や金額は毎年変わりますので、その年の情報を確認する必要があります。
また、交付の申請は1年中行うことができるわけではなく申請期間が決まっており、さらに申請期間内であっても、申請数が多く予算に達した場合は早期終了となってしまいます。
従ってCEV補助金を利用したい場合は、常に最新情報をチェックして早めに申請することをおすすめします。

V2H導入の流れ

実際にV2Hを設置する際の流れについて見ていきましょう。

①施工業者への問い合わせ

太陽光発電の施工会社や電気工事会社など、V2H設置を請け負っている工事業者に連絡して現場調査の日程を決めます。

②現場調査

施工業者が自宅を訪問し、V2Hの設置予定場所や設置の可否の確認などを行います。
この時の設置条件としては、「分電盤から50m以内」「対象となるEVから7.5m以内」に設置できるスペースを確保できるかなどをチェックします。
問題なくV2H設置工事が可能であれば、工事日程の調整を行います。

②電力申請を行う

V2Hを設置することが決まった場合、電力申請や事業計画変更申請に関する許可申請が必要となるため、施工業者が許可申請手続きの準備を行います。許可が下りるまでの期間は5~6ヶ月程度を要します。ただし、太陽光発電を設置している場合は1~2ヶ月程度となります。

④V2Hの設置工事

申請の許可が下りたら、いよいよV2Hの設置工事を行います。
まずは設置箇所の基礎工事として土台をつくります。その後、家内の分電盤にブレーカーや切り替えスイッチの取り付け作業、電気工事として配線の繋ぎこみを行います。
この工事にかかる作業時間は、だいたい8時間ほどが想定されます。

⑤動作確認

最後にEV・PHEVや、太陽光発電連系タイプの場合は太陽光電池を実際に連携して、V2Hが問題なく作動するか確認を行います。

V2H対応のEV・PHEV車種

EV・PHEVのすべての車種がV2Hに対応しているわけではありません。
現在、日本で乗れる車種としては以下のラインナップとなります。(2024年1月時点)

V2H対応の国産車

トヨタbZ4X、プリウスPHV(2019年5月以降のモデル)、MIRAI(停電時のみ対応)、クラウンセダンFCEV、クラウンSPORT RS
レクサスRZ450e、UX300e
日産リーフ、アリア、サクラ、e-NV200
三菱eKクロス EV、アウトランダーPHEV、エクリプスクロスPHEV、i-MiEV、MINICAB-MiEV(バン・トラック)
ホンダHonda e
スバルソルテラ
マツダMX-30 EV MODEL、MX-30 ROTARY-EV、CX-60 PHEV

V2H対応の輸入車

メルセデス・ベンツEQS、EQS SUV、EQE、EQE SUV、S 580 e 4MATIC long
ヒョンデIONIQ5
BYDe6、ATTO 3、DOLPHIN、DOLPHIN Long Range、J6、K8
IONIQ5/ヒョンデ

ほとんどの輸入車メーカーでV2H対応をしていない理由

対応車種一覧を見てお分かりになるように、輸入車のV2H対応の車両を製造しているメーカーはメルセデス・ベンツとBYD、ヒョンデの3社のみです。
現在の輸入車はEV車中心で製造・リリースしているにも関わらず、なぜV2Hに対応した車両は少ないのでしょうか?

V2Hは日本発祥の技術

その理由は、そもそも「V2Hは日本発祥の技術だから」です。
日本では東日本大震災をきっかけとし、災害対策として非常電源の重要性が高まり、EVを蓄電池として活用することに注目が集まりました。
そして2012年、日本の電子部品メーカーのニチコンが、バッテリーに蓄えられた電気を家庭へ放電して利用できるシステムとして世界初のV2Hを開発しました。その後は追従するように国産の自動車メーカーもV2H対応の車種を開発しはじめました。

CHAdeMO規格の問題

また、日本ではEVに使用するコンセントは、2010年に世界の統一規格として採用されたCHAdeMO(チャデモ)が使われていますが、海外ではCHAdeMO規格は使いづらいと考えられている国があります。現在V2Hで使用できる規格はCHAdeMOのみであるため、輸入車メーカーのV2H対応車種の開発が難しくなっています。

ほかにも、日本は自然災害が多く、長期に渡る停電に備えたいという需要がありますが、海外ではEVを非常電源にしたいという需要が低く、また公共エリアでの急速充電器が充実しているというのも、輸入車のV2H対応車種の開発が進まない原因と考えられています。

環境への配慮や電気代の節約、停電時の対策など様々な観点から注目が集まるV2H。
日本発祥の技術ということもあり、現在のV2H市場は国産車メーカーが中心ですが、環境問題への対策としてのEV化は進んでおり、その点においては今後輸入車でもV2H対応車種は増えていく可能性が大いにあります。

EV・PHEVの購入を検討している方は、あわせてV2Hの導入も検討してみてはいかがでしょうか。

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