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海外で人気の日本車[アジア編]

(最終更新日:

自動車販売台数世界第1位の中国、現代(ヒョンデ)や起亜(キア)など世界中で人気の自動車メーカーを有する韓国、そして新車・中古車ともに日本車のシェアが大きな国が多い東南アジア。
現在のアジアは自動車業界の激戦区 各国で日本車の立ち位置が異なるアジアの交通事情や日本車事情を詳しく見ていきましょう。

アジア各国の交通事情

アジアは意外と左側通行の国も多い

日本は左側通行ですが、世界的に見るとこれは少数派で、約7割の国が右側通行となっています。
しかし、アジアは左側通行の国がかなり多くなっており、日本をはじめ、香港・マカオ、タイ・マレーシア・シンガポール・インドネシアなどの東南アジア、インド・ネパール・スリランカなどの南アジアでは左側通行となっています。

これらのうち、多くの国がかつてイギリスの植民地であり、左側通行のイギリスの慣習がそのまま反映されているからです。
なお、タイはイギリスの植民地とはなっていないものの、近代化の過程でイギリスを参考にしていたため左側通行となっています。

アジアで右側通行となっている国は、東アジアでは中国・韓国・台湾・モンゴル・北朝鮮。東南アジアではカンボジア・ベトナム・フィリピン・ラオス・ミャンマー。そして中央アジア諸国となっています。

渋滞が激しい東南アジア

タイ・バンコク、インドネシア・ジャカルタ、フィリピン・マニラ、ミャンマー・ヤンゴンなどでは、東京の比ではないほどの激しい渋滞が見られます。特に朝の出勤ラッシュ時や夕方の帰宅ラッシュ時は、通行に通常時の2、3倍の時間がかかるほど車の進みがかなり遅くなります。

渋滞の原因は、電車や地下鉄などの交通インフラが発達していなく車社会であること。バンコクではMRT(地下鉄)やBTS(高架鉄道)が発達しており、以前よりは渋滞が緩和されてきたとはいうものの、ラッシュの時間帯はまだまだ激しい渋滞が起きています。

アジアで人気の車種

中国

2022年の新車販売台数のトップ10を見ると、第1位はコンパクトSUVの「BYD SONG」であるものの、その他はほぼセダンがランクインしています。
近年、世界的にSUVがランキング上位を占め、セダン人気は衰退している中で、中国においてセダンが人気の理由は、中国人は家族意識が強いからだと言われています。家族全員で移動する機会が多く、後部座席にも人が乗ることが多いため、後部座席の乗り心地も快適なセダンが好まれています。

SONG/BYD

Nissangeniss, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons

韓国

日本のお隣の国・韓国も中国と同じくセダンの人気が高く、2023年1月から8月までの新車販売台数のトップ2をセダンが占めています。また最近では、世界的な流行となっているSUVも人気となっています。

東南アジア

タイで人気なのはピックアップトラックとSUV、インドネシアで人気なのは5人乗り・7人乗りのハッチバックです。
フィリピンは様々な車種が売れていますが、近年SUV人気が高まっています。

東南アジアでSUVの人気が高い理由としては、道路環境がよくない郊外では雨季になると冠水が起こりやすい道路事情によります。
そのため、車両の地上高が高く、車両冠水リスクが低いSUVが好まれるというわけです。

アジアで人気の日本車メーカーと車種

中国

近年、自動車生産技術が著しく向上し、電気自動車(EV)をはじめとしたNEVが世界中の国で勢力を伸ばしている中国。
中国国内でも、猛烈な勢いで国内の自動車メーカーがシェアを伸ばし、今年2023年7月には初めて新車販売台数のシェアの50%超を国内の自動車メーカーが占めたと発表。世界中の自動車メーカーに衝撃を与えました。

そんな中国で人気のある日本車メーカーは、トヨタホンダ日産。2023年8月の新車販売台数でトヨタが第3位、ホンダが第4位にランクインしています。

セダン需要の高い中国市場で、日本メーカーの人気車種もやはりセダン系。
日産 シルフィ(日本国内では2021年に販売終了)」「トヨタ カムリ」「トヨタ カローラ」が人気となっており、中国国内の2022年の新車販売台数で「日産 シルフィ」は第2位となっています。

日本車は依然として高い人気を誇るものの、中国のNEV化が加速する今後は、電気自動車の生産力が低い日本車メーカーにとって厳しい戦いとなっていくことが懸念視されています。

カムリ/トヨタ

韓国

現代(ヒョンデ)起亜(キア)、現代の高級ブランド・ジェネシスがシェアのトップ3を占めるなど、自国の自動車メーカーの勢力が強い韓国。トップ10には韓国メーカーと欧州メーカーのみがランクインし、日本車メーカーはランク外となっており、2022年の日本車メーカーのシェアは約5%にとどまっていました。

しかし、今年2023年に入り日本車の新車販売台数が急速に拡大。
2023年1月から10月の新車販売台数では、レクサスが前年比193%、トヨタは前年比126.3%と前年を大きく上回り、日本車メーカー全体のシェアは前年比135.7%と飛躍しています。
特にハイブリッド車の売れ行きが好調で、日本車シェア拡大の1つの要因となっています。

中国と同様セダンが人気の韓国では、日本メーカーの人気の車種は「レクサス」です。
今年2023年にはレクサスが大幅に売上を伸ばしています。なかでもセダン「レクサス ES」とSUV「レクサス NX」が最も売上が拡大しています。

ix35/現代(ヒョンデ)

東南アジア

EV車先進国の中国・韓国では自国のメーカーのシェアが大きいですが、東南アジア諸国ではまだまだガソリンエンジンやディーゼルエンジンの需要が高く、日本車が大きなシェアを占める国が目立ちます。

タイ

日本車大国であるタイでは、日本車のシェアが約9割となっています。
2022年の新車販売台数は第1位 トヨタ(34.0%)、第2位 いすゞ(25.0%)、第3位 ホンダ(9.8%)、第4位 三菱(5.9%)、第6位 マツダ(3.7%)、第8位 日産(2.7%)、第9位 スズキ(2.4%)、第10位 日野(1.7%)と、日本車メーカーがトップ10をほぼ独占しています。

タイの2023年1月から5月までの新車販売台数は、第1位「いすゞ D‐MAX(日本国内未販売)」、第2位「トヨタ ハイラックス」とトップ2が日本車のピックアップトラックが占めています。
続く第3位は「トヨタ ヤリスATIV(日本国内未販売のセダン)」、第4位「ホンダ シティ(日本国内未販売のハッチバックとセダン)」、第6位「トヨタ フォーチュナー(日本国内未販売の大型普通自動車)」、第7位「トヨタ カローラ」、第8位「いすゞ Mu-x(日本未販売のSUV)」、第9位「ホンダ CR−V」となっています。

D-MAX/いすゞ

インドネシア

インドネシアは新車販売台数の9割超が日本車という、こちらも日本車大国。ASEANのなかで最も日本車メーカーのシェア率が高い国です。
2023年1‐7月の新車販売台数のシェアは、第1位 トヨタ・第2位 アストラ(ダイハツのインドネシア事業)・第3位 ホンダ・第4位 スズキ・第5位 三菱とトップ5まで日本車メーカーが独占し、第6位  三菱ふそう・第7位 いすず・第9位 日野となっています。

そんな日本車大国のインドネシア、前年度(2022年)の新車販売台数のトップ10はすべて日本車となっており、それらは日本国内未販売車となっています。
第1位は「ホンダ ブリオ(ミニハッチバック)」、第2位「トヨタ アバンザ(ミニバン)」、第3位「ダイハツ シグラ(ミニバン)」、第4位「トヨタ イノーバ(ミニバン)」、第5位「トヨタ ラッシュ(コンパクトSUV)」、第6位「トヨタ カリヤ(ミニバン)」、第7位「トヨタ ヴェロズ(ミニバン)」、第8位「三菱 エクスパンダー(ミニバン)」、第9位「ホンダ BR-V(クロスオーバーSUV)」、第10位「ダイハツ セニア(ミニバン)」と聞きなれない名前が並びます。
コンパクトカーやミニバンが人気となっています。

フィリピン

フィリピンも日本車のシェアが高く、2022年の新車販売台数は第1位トヨタ・第2位三菱・第4位日産・第5位 スズキ・第6位 いすゞ・第7位 ホンダとなっています。

そして、2022年新車販売台数もトップ10は日本車が独占。
第1位「トヨタ ヴィオス(日本国内未販売のサブコンパクトセダン)」、第2位「トヨタ ハイラックス」、第3位「トヨタ イノーバ」、第4位「トヨタ フォーチュナー」、第5位「トヨタ ラッシュ」、第6位「トヨタ ウィーゴ(日本国内未販売のミニハッチバック)」、第7位「トヨタ ライズ」で、トヨタ車が首位から7位までを占めています。そして、第8位「三菱 エクスパンダー」、第9位「トヨタ ハイエース」、第10位「日産 ナバラ(日本国内未販売のピックアップトラック)」と続きます。

しかしながら、現在インドネシアはEV関連事業に乗り出しており、シェア率の高い日本車メーカーも対応車種の生産に迫られている状況です。

ヴォイス/トヨタ

JamesYoung8167, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons

マレーシア

マレーシアでは国産メーカーのシェア率が高く、メーカー別では第1位「プロドゥア」、第2位「プロトン」で約半分を占めています。
とはいえ、プロドゥアは日産自動車との合併会社で、製造部門は日産が子会社しているので、マレーシアにおいても日本車市場は大きいと言えます。
なお、第3位はトヨタ、第4位 ホンダ、第5位 三菱となっています。

人気車種としては、「トヨタ カローラ・クロス」や「トヨタ ハイラックス」「ホンダ シティ」「三菱 エクスパンダー」となっています。

カローラ・クロス/トヨタ

筆者は東南アジアのほとんどの国に訪れたことがありますが、どの国でも新車・中古車ともに走っている車のほとんどが日本車という印象があり、日本車ブランドの強さを感じます。
また、他の国との違いは、マレーシアやインドネシアでダイハツの勢力が強いこと。マレーシアで「このプロドゥアって知ってるか?ダイハツのマレーシア版なんだよ!」と教えてくれ、日本人である私の知らないところで日本車が現地の生活に根付いているのを感じました。

近年は中国を中心にアジアのNEV産業が活発になっていますが、日本車メーカーもPHEVやFCVなどに力を入れており、EV化遅れと言われている日本車の巻き返しが期待されています。

また、韓国市場でも日本車の人気が急拡大するなど、アジア諸国における日本車事情は、これからますます目が離せなくなりそうです。

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