人気再熱⁈ 国産車・輸入車のピックアップトラック 12選
2023-12-27
セダンのような運転席で、トラックと同様に天井がない荷台を備えた貨物自動車のピックアップトラック。
日本ではあまりメジャーではありませんが、アメリカ・オーストラリア・東南アジアなど、世界各国で高い人気を誇る車です。
そんなピックアップトラックですが、2024年に「三菱 トライトン」が再販予定、「トヨタ ハイラックス」がフルモデルチェンジ予定など、最近は日本でも注目度が高まっています。
今回はピックアップトラックの特徴や日本で購入可能なモデルなどをご紹介します。
ピックアップトラックとは
ピックアップトラックとは、前方にセダンやクーペのようなボンネットとキャビン(乗員スペース)を持つ車体に、トラックと同様に天井がない荷台を備えた貨物自動車のことです。
現在、日本ではなじみの薄いピックアップトラックですが、世界の数々の国・地域では、SUVと並ぶほどの圧倒的な人気を誇っています。アメリカでは2022年の新車販売台数のベスト3をピックアップトラックが占め、オーストラリアとタイではトップ10のうちピックアップトラックが4台ランクインするなど、ピックアップトラックはなくてはならない存在となっています。
日本では、戦後の復興期に小口輸送や農業の脚として大きな人気を誇りましたが、物流システムの変化、生活レベルの向上、バンの普及などにより、2000年代には生産終了が相次ぎ、いったん国産車のピックアップトラックは姿を消しました。
その後、2017年より「トヨタ ハイラックス」が通年販売を再開したのを皮切りに、2021年には「ジープ グラディエイター」が発売されました。
この2車種以外には並行輸入車が数種類輸入されているほかは、中古車の販売がされているのみの状態が続いていましたが、2024年初旬に「三菱 トライトン」がカタログモデルとしては初めて国内で発売されることが決定。
近年のアウトドア志向の高まりにより、SUVに続いて日本でもピックアップトラックへの注目度が上がっています。
ピックアップトラックのメリット
日本では、アウトドアやレジャーへの実用性、アメリカンスタイルを好むファッション性から指示を得ているピックアップトラック。実際に実用面においてはどのようなメリットがあるのでしょうか。
広く大きな荷台が便利!
ピックアップトラックの特徴は、なんといっても広く大きな開放された荷台。屋根のない荷台のため、高さを気にすることなく荷物を積むことができ、濡れたり汚れたりしたものでも気にせずどんどん積むことができます。
タイヤが泥や砂で汚れたマウンテンバイクやロードバイク、サーフボードやスキューバ用品など、遊んだ後に汚れた道具をそのまま積んで荷台が汚れても、荷台ごと水で洗い流すことができるのはピックアップトラックの便利な点です。
また、バーベキューコンロなど使用後にニオイが気になる道具でも、ピックアップトラックの荷台なら室内にニオイが充満することがありません。
普通乗用車より税金が安い
ピックアップトラックは1ナンバーか4ナンバーの貨物自動車登録となるため、3ナンバーや5ナンバーの普通乗用車登録車より自動車税や重量税が安くなっています。
おすすめのピックアップトラック
日本車メーカーからの販売は少ないものの、世界の自動車メーカー、そして日本車メーカーの海外限定モデルでは、たくさんの種類が販売されているピックアップトラック。ここではおすすめの12台をご紹介します。
国産車
トヨタ ハイラックス
2023年現在、国産車メーカーで新車として正規販売されている唯一のピックアップトラックです。
2004年に一度国内販売を終了しましたが、2017年から販売再開となりました。世界中で大きな人気を誇る車で、2022年の全世界の新車販売台数で第6位にランクインしており、トヨタとしては全世界で4番目に売れている車です。
2017年の再販後は、再販前の元々のファン層に加え、アウトドア好きやファッション性の高いクルマ好きの20・30代の若い層のユーザーからも人気を得ています。
4WDのため悪路走破性が高く、未舗装路や雪道などの悪路でも走破できるのも特徴。また、ボディの頑丈さも高く評価されており、「世界一壊れにくい車」との異名もあるとか。
三菱 トライトン
世界各国で人気を誇り、三菱自動車の売上の約2割を占めている大人気の車です。
日本では2006年から2011年まで輸入販売されて以降、終売となっていましたが、日本での近年のアウトドア人気の高まりにより、ピックアップトラックの需要を見込んで、2024年初旬に約12年ぶりに販売が再開されます。
今回、販売再開となる「三菱 トライトン」は2023年7月にタイで世界発表された新型モデル。日本で販売されるのはヒンジドア2対の「ダブルキャブ」(2列シート)となります。衝突軽減ブレーキ、後側方車両検知警報システムなどの安全機能も多数備えているのも安心です。
また、本格的なクロスカントリー4WDの機能を備えており、クロカンファンからも期待を集めています。
日産 ダットサントラック
1935年から2002年まで67年間販売されていた、国産車で歴代2番目に長期間販売されていた車です(なお、最も長期間販売されている車は、1951年から現在も販売されているトヨタ ランドクルーザーです)。
すでに販売終了から約20年経過しており、中古車もそこまで出回っていない希少車ですが、ほどよくレトロな角ばったデザインが旧車好きのあいだで人気となっています。
なお、現在は「ナバラ」と車名を変えて海外輸出向けのみに製造・販売されています。
輸入車
フォード レンジャー
北米・南米・オセアニア・アジア諸国・欧州で販売されているピックアップトラックです。
特にオーストラリアでは絶大な人気を誇り、2022年の新車販売台数で「トヨタ ハイラックス」についで第2位となっています。日本での新車の取り扱いはなく、日本から購入する場合は中古車か並行輸入車となります。
悪路走行性が高く、オフロードを力強く走りたい人のニーズを満たす一方で、EVモデルも販売されているという、幅広いニーズに応えているのも人気の理由です。
フォード エクスプローラースポーツトラック
2000年から2010年まで北米で販売されたピックアップトラックで、日本でも一定期間新車販売されていました。現在は中古車での購入のみとなります。
「フォード エクスプローラースポーツトラック」は、SUV「フォード エクスプローラー」をベースとし、SUVとピックアップトラックが融合したモデルとして誕生しました。全長はハイラックスとほぼ同等のサイズで、日本でも使い勝手の良いサイズとしてキャンプなどのアウトドアを楽しむユーザーからの人気を博しています。
ジープ グラディエーター
ジープ史上最大サイズのピックアップトラックです。
人気のSUV「ジープ ラングラー」をベースとし、丸目ヘッドライトとグリルが特徴的なデザインとなっています。また、本格的なクロスカントリー4WDの機能を備えており、クロカンファンからも人気を集めています。
日本でも2021年より新車販売されており、「トヨタ ハイラックス」とともに日本で購入できる貴重なピックアップトラックとして親しまれています。大きさは「トヨタ ハイラックス」より一回り大きく、荷台の広さや大きな車を好むユーザーのニーズを満たしています。
シボレー シルバラード
アメリカ本国では2022年の新規販売台数が第2位となっているフルサイズピックアップトラックです。日本で購入する場合、中古車か並行輸入車となります。
特徴はアメリカらしいビッグサイズの車体。日本と違い、広大な土地が広がり大きな車が好まれるアメリカならではのサイズ感です。
なお、現在のアメリカは環境規制により急速に電気自動車の需要が広まっていて、2022年からはEVモデルも販売されています。
EV車というと航続距離が短いイメージですが、このシルバラードEVはGM社の次世代バッテリーを搭載しており、実に400マイル(約640km)とロングドライブにも適しています。
メルセデス・ベンツ Xクラス
2018年から2020年のわずか2年間のみ販売されていた、幻のピックアップトラックと言っても過言ではない車です。
日本では未導入となっており、入手するには並行輸入の中古車を探すしかありません。世界でわずか1万5000台ほどの出荷をもって生産終了となったため、中古車市場でも貴重な一台となっています。
ピックアップトラックである「ルノー アラスカン」「日産 ナバラ」と主要コンポーネントを共有するピックアップトラックとなっていますが、外装は「メルセデス・ベンツ Xクラス」専用の仕様となっており、同社のサルーンを彷彿とさせる高級感のある外観となっています。
逆輸入車
トヨタ タンドラ
北米トヨタで販売されているフルサイズピックアップトラックです。
「スペースシャトル エンデバー」の牽引に成功したほどのパワーが持ち味です。日本で購入する場合、中古車か並行輸入車となります。
日本で乗る場合、サイズの大きな「トヨタ タンドラ」の一部の車両は準中型自動車に分類されるため、普通自動車免許では運転できない場合があります。購入する前に必ず運転可能な免許区分を確認するようにしましょう。
トヨタ タコマ
北米トヨタで販売されているミッドサイズのピックアップトラックで、「トヨタ タンドラ」より一回り小さく「トヨタ ハイラックス」とほぼ同サイズとなっています。
アメリカの2022年の新車販売台数では第9位の人気モデルとなっています。日本で購入する場合、中古車か並行輸入車となります。
2024年には約8年ぶりのフルモデルチェンジが発表されています。
いすゞ D-MAX
日本では商用車のみ生産・販売していますが、海外ではピックアップトラックやSUVといった乗用車を生産・販売しているいすゞ。
「いすゞ D-MAX」はアジア・欧州・中東・アフリカ・中南米・オセアニアなど100以上の国・地域で販売されています。
特にタイでは2020年から2022年にかけて新車販売台数第1位、オーストラリアでは2022年の新車販売台数第8位にランクインするなど、大きな人気を誇っています。日本で購入する場合、中古車か並行輸入車となります。
2023年10月にモデルチェンジが発表されたばかりの「いすゞ D-MAX」。トラックが主力のメーカーらしく、力強くスポーティーなデザインが特徴です。
日産 タイタン
北米で販売されているフルサイズピックアップトラックです。日本で購入する場合、中古車か並行輸入車となります。
2024年に新型モデルの発売が発表されており、日産の最新のテクノロジーや安全装置がふんだんに装備されています。なお、この新型モデルをもって「日産 タイタン」は生産終了となる予定です。
ピックアップトラックというと「アメ車」というイメージが強くなりがちですが、日本車メーカーも海外向けに様々な車種を展開しているのが分かりますね。
日本国内では注目度の低かったピックアップトラックですが、近年はアウトドア志向の高まりやデザインのかっこよさから、若者からの支持が高まり再注目されています。
日本車もここ近年は「トヨタ ハイラックス」しか新車販売されていませんでしたが、来年にはモデルチェンジも控え、また「日産 トライトン」は再販も決定したことで、これから再熱がきそうな予感です。
輸入車輸入車・国産車ともに、今後の動向に注目ですね。