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海外で人気の日本車[オーストラリア編]

(最終更新日:

広大な大地が広がり、移動には車がかかせない国・オーストラリア。
約78%の国民が車を所有し、平均で一家に2台を超える車を所有する、アメリカに次いで世界第2位の自動車所有率の国です。

そんなオーストラリアをはじめとしたオセアニアの交通事情や人気の日本車を見ていきましょう。

オーストラリアの交通事情

かつてイギリスの植民地だったオーストラリアは、イギリスと同様の左側通行となっています。そのため、日本人が困惑するような交通ルールはほとんどなく、日本人旅行者も比較的運転しやすい道路環境となっています。

日本人が驚くであろうオーストラリアの交通事情としては、「信号が少なく、ラウンドアバウトが設置されていること」「時速制限100キロ以上の道路が多いこと」「車に轢かれた動物がたくさん死んでいること」。

まず1点目については、オーストラリアは都市の中心部や大きな道路以外、信号機のある交差点はとても少ないです。代わりに「ラウンドアバウト(環状交差点)」が設置されています。
ラウンドアバウトは、オーストラリアの場合、左側通行のため、時計回りに周回し、進みたい道路へと離脱します。日本人にとってはなじみがないため、慣れるまで運転しづらいと感じるかもしれませんが、慣れてしまえば信号のある交差点より車の流れがスムーズで、交通事故も少ない優れたシステムです。

2点目については、オーストラリアは広大な土地が広がり、住宅がまばらにしかない地域が多いため、市街地以外は一般道でも時速100キロ制限であることが多いです。
また、州にもよりますが高速道路は時速110〜130キロ制限となっています。信号はもちろん、ラウンドアバウトもなくひたすら広野をまっすぐに走る道も多く、ノンストップの長距離運転かつ高速走行する機会が多いです。

広大なオーストラリアの大地

3点目について、オーストラリアで驚くのが、街中の歩道に鳥が死んでいるのをよく見かけること。
低空飛行する鳥が多く、車にはねられて死んだ鳥が歩道に横たわっているのをよく見かけます。そして街中から数キロ離れると、カンガルーやワラビーなどの野生動物がいたるところに生息するオーストラリア。時速100キロでノンストップで走行する車にぶつかることも多く、車道の端にそれらの動物の死体が無残な状態でそのままになっているのをよく見かけます。
日本人にとってはショッキングな光景かもしれません。車のフロントにカンガルーにぶつかった場合に車が大破するのを防ぐためのカンガルーバー(グリルガード)をつけている人もいます。

グリルガードをつけたランドクルーザー
グリルガードをつけたランドクルーザー

オーストラリアで人気の自動車メーカー

2017年トヨタの現地生産が終了、そして唯一の自国の自動車メーカーであったGM傘下のホールデンが製造終了したことをもって、すべての車が輸入車となっているオーストラリア。新車販売台数の5割超を日本車が占め、中古車も日本車が購入・リセールともに人気となっている、日本車の支持が高い国です。

1位:トヨタ(21.4%)・2位:マツダ(8.9%)と、トップ2位を日本車メーカーが獲得しています。
トップ10以内には、4位:三菱(7.1%)・8位:スバル(3.3%)・9位:いすゞ(3.3%)がランクインしており、日本車メーカーのシェアは52.2%と半数以上を占めています。
トップ10圏外ではありますが、日産・ホンダ・スズキ・レクサスも新車販売店があり、その走行する姿を街中でよく見かけます。

三菱は日本国内ではシェアが2パーセントほどですが、オーストラリアではピックアップトラックやSUVなどが人気となっています。

また、いすゞ(現地法人名はIsuzu UTE Australia)は日本国内では2002年に乗用車の国内生産・販売を終了しており、今では「商用大型車専門の自動車メーカー」というイメージが定着していますが、オーストラリアではピックアップトラックとSUVが人気を博しています。
そして、オーストラリアで影響力を持つロイモーガンという調査会社が主催する「カーメーカー・オブ・ザ・イヤー」という賞では、2018・2020・2021年に顧客満足度第1位を受賞するほど。車のデザイン性や走行感・品質管理・サービスのレベルの高さが評価されています。

D-MAX/いすゞ
D-MAX/いすゞ

日本車以外では、2022年の新車販売台数シェアは3位:起亜(韓国/7.2%)・5位:現代(韓国/6.8%)・6位:フォード(米国/6.2%)・7位:MG(英国/4.6%)・10位:フォルクスワーゲン(ドイツ/2.9%)となっています。
特にフォードのピックアップトラック「レンジャー」は人気が高く、2022年の新車販売台数第2位となっています。

現在、電気自動車の販売で世界的に勢いを見せている中国メーカーですが、オーストラリアでも人気が上昇しています。特にBYDが人気となっており、街中ではBYDの電気自動車SUVを見かける機会が増えています。

S7/BYD
S7/BYD

オーストラリアでの人気車種

先述もしましたが、オーストラリアではピックアップトラックとSUVが人気車種となっています。

ピックアップトラックは日本国内では馴染みが薄く、現在では「トヨタ ハイラックス」のみが販売されている限りですが、オーストラリアでは人気の車種となっています。
多くの道具や機材を運ぶ職人や、マウンテンバイクやキャンプなどのアウトドアが趣味の人などからは、「荷物を積み込みやすく、かつ普通乗用車のように移動しやすい大きさ・運転性能」という理由で大人気です。
日本の土木業の方が軽トラックで物を運んでいるのと同様、オーストラリアでは土木業や建築業で働く方がピックアップトラックで物を運ぶ光景をよく見かけます。

また、日本をはじめ世界で大人気となっているSUVはオーストラリアでも人気。
広大な土地に点在する都市間を長距離運転する機会が多く、また速度制限も100キロ以上の道路が続くオーストラリア。そんな事情から、高速走行しても風の影響を受けにくい大きめのSUVが人気となっています。

トヨタ ハイラックス
トヨタ ハイラックス

販売台数ランキング

では、実際にオーストラリアで販売されている人気の車両について、ランキング形式で見てみましょう。
2022年のオーストラリア国内での新車販売台数は、以下の通りとなっています。

順位車種名/メーカー販売台数(台)
1ハイラックス/トヨタ64,391
2レンジャー/フォード(アメリカ)47,479
3RAV4/トヨタ34,845
4トライトン/三菱27,436
5CX-5/マツダ27,062
6カローラ/トヨタ25,284
7ランドクルーザー/トヨタ24,542
8D‐MAX/いすゞ24,336
9ZS/MG(イギリス)22,466
10i30/現代(韓国)21,166

実にトップ10に日本車メーカーの車が7つもランクインしています。

そのうち、「トヨタ ハイラックス」「三菱 トライトン」「いすず D‐MAX」はピックアップトラック、「トヨタ RAV4」「マツダ CX-5」「トヨタ ランドクルーザー」はSUVとなっており、ここでもピックアップトラックとSUVの人気の高さがうかがえますね。
なお、三菱のトライトンは日本での販売は中断されていましたが、2024年初頭にフルモデルチェンジをして12年ぶりに日本国内で再販される予定です。

トライトン L200/三菱
トライトン L200/三菱

ニュージーランドで人気の日本車メーカー

オーストラリア同様、自国での自動車生産がなく、すべての車が輸入車となっているニュージーランド。新車販売台数の約5割を日本車が占めるほど支持が高い国です。

2023年1〜8月の新車販売台数シェアは1位:トヨタ(17.4%)・3位:三菱(9.3%)・5位:スズキ(7.0%)・9位:マツダ(3.8%)・10位:ホンダ(3.4%)と、トップ10以内に5つのメーカーがランクインしています。
トップ10圏外ではありますが、日産・スバル・レクサスも新車販売されています。

ニュージーランドでの人気車種

2023年1〜8月の新車販売台数トップ10のうち、9台がSUVとなっているほどSUV人気が高いニュージーランド。
そのうち日本車は1位「トヨタ RAV4」(4345台)・2位「スズキ スイフト」(2708台)・4位「三菱 エクリプスクロス」(2257台)・6位「三菱 アウトランダー」(2028台)がランクインしており、コンパクトカー「スズキ スイフト」を除いた3台はやはりSUVとなっています。

RAV4/トヨタ
RAV4/トヨタ

オセアニアの島国では日本車の中古車が人気

オーストラリア・ニュージランドのほか、オセアニアの島国の数々はほとんどの国が日本と同様の左側通行です。
したがって、右ハンドルの日本車をそのまま輸入できるため、コストパフォーマンス的にも優れている点も人気の理由でしょう。
フィジー・トンガ・パラオなど中古車が主流の島国の数々でも日本車が人気となっています。

オセアニアでの車事情を知ると、日本車が人気なのも頷ける気がしてきますね。
筆者は約1年間オーストラリアに住んでいた経験がありますが、現地の方の日本車への信頼は厚く、「トヨタは頑丈だね」「マツダは最高だよ」などと話す方も多く、日本人として誇らしい気持ちになりました。
また、日本と異なり走行距離40万キロ超えの中古車に乗っている人もたくさんいます。メンテナンスを行うことで、長く愛用できる頑丈さがあるのも日本車が人気の理由でした。

オセアニアを訪れた際は、現地の方と日本車談議に花を咲かせるのも面白いかもしれませんね。

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