希少な輸入車が展示してある自動車博物館 11選
(最終更新日:)
車好きの方なら「クラシックカーを見てみたいけれど見る機会がない」「いろいろなスポーツカーを一度に見たい」と思っていませんか?
今回は全国にある自動車博物館から、希少な輸入車を見学できる博物館を11ヵ所ピックアップしました。
メジャーな自動車博物館ばかりではなく、なかには案外知られていない博物館もあって、「近くにこんな博物館あったんだ!」というところもあるかもしれません。
気になる博物館があればドライブ観光がてらぜひ足を運んでみてください。車好きの方ならきっと楽しめるはずです。自動車博物館でいろんな輸入車を見て感動を味わってみてはいかがですか?
東北地方
ツカハラミュージアム(青森県)
八戸市にある「ツカハラミュージアム」は、トヨタのディーラーである塚原企業グループが運営しています。トヨタ車はもちろん、フォードモデルTやルノー35CVなどの世界中のクラシックカーが集結する様相は圧巻。なかでも1920年~1930年にかけてのヴィンテージカーは種類が豊富で見ごたえ抜群です。
クラシックカーのレストアに力を入れ、設計者やエンジニアの想いをくみ取りながらじっくりと修復しています。細部まで徹底的にこだわるため、車によってはレストアに数年かかることも。
特に1911年製のルノー35CVは日本に1台しか存在せず、映画「タイタニック」でジャックとローズが乗った車です。パリジェンヌが皆振り向いたと言われるボンネットは「象の鼻」と呼ばれ、他社もルノー車を真似て製造するほどの人気でした。
超高級車のロールス・ロイス「シルバーゴースト」(1922年)も外せないポイント。銀色の車が「幽霊のように静かに走行する」ことから名付けられました。
毎年11月から4月までは休館となっているため、訪れる際はご注意ください。
施設名 | ツカハラミュージアム |
住所 | 青森県八戸市北インター工業団地4-2-57 |
HP | https://www.tsukahara-m.jp/ |
オールドカーセンター・クダン(福島県)
九段建築研究所が運営する「オールドカーセンター・クダン」では、国内外のさまざまなクラシックカーや航空機などが見学できます。東日本大震災による5年の休館を乗り越え、大切に残されてきました。
「車の養老院」をコンセプトに作られ、役割を終えたオールドカーたちがゆっくりと余生を過ごすのにふさわしい住み家です。
ミニカーブースでは約1,600台が展示され、その横には「ルパン三世カリオストロの城」に登場するフィアット500の実物が置かれています。
歴代ベンツやポルシェなどの高級車が約80台並ぶガレージは壮観。これらの展示車両は館長夫妻が自ら手入れし、手間暇かけてメンテナンスされています。1989年のキャデラックのリムジンは、まだエンジン始動が可能です。
ロールス・ロイスやメルセデス・ベンツはもちろん、大きなアメリカ車が立ち並ぶ光景は迫力満点。
2階では戦艦・戦闘機、飛行機の模型をじっくりと見学できます。
開館は土日祝日のみで、平日は定休日です。
施設名 | オールドカーセンター・クダン |
住所 | 福島県双葉郡楢葉町大字山田岡字仲丸1番地45 |
HP | http://www.kudan.co.jp/oldcarcenter.html |
関東地方
池沢早人師サーキットの狼museum(茨城県)
神栖市にある「サーキットの狼museum」は、漫画家・池沢早人師の作品「サーキットの狼」に登場する車両を集めた博物館。主人公・風吹裕矢がF1を目指すこの作品は、1970年代にスーパーカーブームを巻き起こしました。
主人公の愛車のロータス「ヨーロッパ・スペシャル」は、白いボディを貫く赤いストライプが印象的。その他、ランボルギーニ「ミウラP400S」やフェラーリ「512BB」、ポルシェカレラ「RS2.7」など、作品に登場する主なスポーツカーが約30台常設されています。
F1で活躍した「ロータス・107C」まで見られ、今にもレースで走り出しそうな躍動感が迫力満点です。
作中ではあまり見せ場のなかった「マセラティ・カムシン」や「デ・トマソ・パンテーラ」もしっかり展示され、作者のこだわりが伝わってきます。
また、一世をふうびしたスーパーカー消しゴムやミニカー、プラモデルといった懐かしいグッズもそろっていて、ノスタルジックな思い出に浸ってみるのもいかがでしょうか。
作品を読んでいなくても、車好きなら楽しめること間違いありません!
施設名 | サーキットの狼museum |
住所 | 茨城県神栖市息栖1127-26 |
HP | https://www.ookami-museum.com/ |
WAKUI MUSEUM(埼玉県)
東北自動車道の加須インターチェンジ近くにある、埼玉県の「WAKUI MUSEUM」。ここでは、イギリスの高級車ロールス・ロイスとベントレーなどのクラシックカーを見学できる貴重な博物館です。
館長の涌井清春さんが所有する300台以上のコレクションから厳選された16台が展示されています。
吉田茂元首相の愛車「ロールス・ロイス」や、白洲次郎のベントレー「3リッタースピードモデル」が見どころ。丁寧な維持管理のおかげで今でも走行できる状態が維持できるのです。
維持が困難な古い車を下取りして販売するヘリテージと、修復やメンテナンスするファクトリーが併設されています。いずれも無料で見学できるのでぜひ全部見ておきたいところ。
ミュージアムは土曜日と日曜日、ヘリテージは金曜日・土曜日・日曜日の営業となっています。
施設名 | WAKUI MUSEUM |
住所 | 埼玉県加須市南大桑3748 |
HP | https://www.wakuimuseum.com/ |
FLAT4(神奈川県)
45年にわたり、東京都目黒区でフォルクスワーゲンの名車を展示してきた「FLAT4」。2021年に横浜市中区へ移転し、パワーアップしてリニューアルオープンしました。
外階段を登って入り口から入ると、カリフォルニアの雰囲気が漂う2階の店内。さまざまなフォルクスワーゲングッズやパーツはもちろん、ミニチュアやトートバッグ、マグカップなども販売されています。ジュークボックスがずらりと並び、レトロな雰囲気たっぷりです。
1階の車両販売スペースは、映画の世界に迷い込んだような空間。タイプⅡやビートルなど中古の名車が販売されています。
店舗正面のショールームはアメリカのレースカーを復刻したデモカーを2台展示。あざやかな色合いと丸みを帯びたデザインが特徴です。
施設名 | FLAT4 |
住所 | 神奈川県横浜市中区本牧和田12-4 |
HP | https://www.flat4.co.jp/ |
中部地方
河口湖自動車博物館(山梨県)
背後に富士山が臨めるロケーション抜群の「河口湖自動車博物館」は営業期間が8月の1カ月のみ。
入り口付近で出迎えてくれるのは、珍しいシトロエン2CVのピックアップトラック。
自動車館と飛行館に分かれ、自動車館はさらにホールAとホールBに分かれています。自動車の誕生から1950年までの車両や歴史を学べるのがホールA。館内に入ると、馬車の面影を感じさせてくれる4気筒855ccエンジンのべべ・プジョーに出会えます。
T型フォードや米軍のジープ、フォルクスワーゲンなど、さまざまな国内外の車が幅広く見られます。その他にも、ブガッティ「57SC」やランチア「ラムダ」など各自動車メーカーの特徴をじっくりと堪能できるのがうれしいポイント。
アルファロメオのプロトタイプは世界で唯一の貴重な1台です。モーターショーに出品するために製作されたこの車は、明るい青色がとても美しく印象的。
階段を登った先にあるホールBでは、1950年以降の車両が展示されています。キャデラック「エルドラド」、ランボルギーニ「カウンタック」などの名車が勢ぞろい!
V型16気筒エンジンを搭載する赤いチゼータのV16Tは、日本に2台しか輸入されなかった希少な車です。
飛行館では零式艦上戦闘機や輸送機などの飛行機が見られます。
自動車館と飛行館は別料金なのでご注意ください。
施設名 | 河口湖自動車博物館 |
住所 | 山梨県南都留郡鳴沢村富士桜高原内 |
HP | https://www.car-airmuseum.com/guidance/ |
富士モータースポーツミュージアム (静岡県 )
富士スピードウェイに隣接した「富士モータースポーツミュージアム」は、2022年にオープンしたばかりの新しい博物館。トヨタ博物館が運営するミュージアムの設立趣旨は「モータースポーツが車を鍛え、進化させた熱い歴史をたどる」。国内外の自動車メーカー10社が協力し、さまざまなスポーツカー合計約40台が一堂に会しています。
「富士スピードウェイホテル」と一体化し、1階と2階がミュージアムとなる構造です。
まず目に入るのは、フランス最古の自動車メーカー「パンァー(パナール)・エ・ルバッソール」の「TypeB2」。1899年式のTypeB2は馬車の面影を残しつつも、蒸気や電気が動力として主流だった時代に、ガソリンエンジンを搭載した最新鋭の車でした。
注目したいのは、数々のレースで勝利をもたらしたフランスの名車「ブガッティ・タイプB35」。その造形の美しさと実績から、アマチュアのドライバーにも人気だったという話もうなずけるもの。
ヘンリー・フォードが資金調達のために製作した「フォード999」は必見。のちのT型フォードにつながる歴史的なキーポイントです。
富士スピードウェイを一望できる3階のカフェで大パノラマを楽しみながら一服するのもおススメ。併設されているショップでは希少なグッズや書籍を購入できます。
展示車両は入れ替えになる可能性があるので、事前によくチェックしておきましょう。
施設名 | 富士モータースポーツミュージアム |
住所 | 静岡県駿東郡小山町大御神645 |
HP | https://fuji-motorsports-museum.jp/ |
日本自動車博物館(石川県)
日本有数の名湯・加賀温泉郷にある「日本自動車博物館」。全国トップの展示台数を誇り、3,500坪の広大な敷地に常時500台以上の外車や国産車を展示しています。赤レンガ造りの3階建ての建物が、荘厳で印象的です。
メルセデス・ベンツやBMWなど、各自動車メーカーの名車が一度に見られる数少ない貴重な博物館です。
イギリスの故ダイアナ妃が来日した際に使用された「ロールス・ロイス・シルバースパーⅡ」は必見。また、アメリカのライシャワー駐日大使が使用した「キャデラックリムジン」(1960年)も見られます。
国内外のスポーツカーがずらりと並ぶ「スポーツの広場」は壮観。ここでは、ロータス・ヨーロッパやポルシェ356Bクーペなど珍しい名車を楽しめます。
映画「ローマの休日」で、オードリー・ヘップバーンがローマ市内を駆け回ったフィアット500(1948年式)が見られます。丸みを帯びた小柄なボディと、特徴的なヘッドライトによるかわいらしい外観から「トッポリーノ」とも呼ばれました。
世界の多種多様なトイレを体験できるのが特徴的。車とともに、トイレでお国柄を体験してみるのも面白いかもしれませんよ。
施設名 | 日本自動車博物館 |
住所 | 石川県小松市二ツ梨町一貫山40番地 |
HP | https://www.motorcar-museum.jp/ |
関西地方
トリノミュージアム(兵庫県)
姫路市にある「トリノミュージアム」は、2021年にオープンした新しい自動車博物館です。ランボルギーニやフェラーリ、ポルシェなどのヴィンテージカーが50台以上展示されています。
7階建ての立体駐車場を改装した博物館で、7階は姫路城が臨める眺望抜群のカフェダイニング。5階と6階が博物館になり、そうそうたる名車が見学できます。1~4階まではそのまま施設の駐車場として利用されています。
特に注目したいのが、国内で正規輸入されたフェラーリ2台のうちの1台「288GTO」。世界的な落札相場は2億円以上ともいわれている288GTOを間近で見られる貴重なチャンスです。
根強い人気を誇る元祖スポーツカー・ランボルギーニP400は鏡に囲まれたスペースに配置され、上下左右が同時に見られる展示がユニーク。ランボルギーニの出発点ともなったトラクターも展示されています。
珍しい青色が印象的な、フェラーリのテスタロッサ(1988年)も外せないポイント。
施設名 | トリノミュージアム |
住所 | 兵庫県姫路市福中町51 ヘルメスビル7F旧メガパーク |
HP | https://www.torino-museum.com/ |
四国地方
四国自動車博物館(高知県)
ネッツトヨタ南国株式会社が運営する香南市の「四国自動車博物館」は、四国で唯一の自動車博物館。アルファロメオやポルシェ、フェラーリなど欧州のヒストリックカーやレーシングカーが展示されています。
目につくのは、ランボルギーニ「カウンタックLP400」。スーパーカーブームを経験してきた世代にはたまらない名車です。実際に見てみると、車高の低さに驚かされます。
映画「バックトゥザフューチャー」に登場したタイムマシンを再現した「デロリアン・DMC-12」も必見。
ロータススーパーセブンやランチアストラトスのスポーツカーも見られ、充実した展示内容は見ごたえたっぷり。
展示車は不定期で入れ替えしているので、訪れるたびに新しい刺激を楽しめます。
施設名 | 四国自動車博物館 |
住所 | 高知県香南市野市町大谷896 |
HP | https://lovemota.vistanet.co.jp/museum/ |
九州地方
九州自動車歴史館(大分県)
全国でも有数の温泉地・湯布院にある「九州自動車歴史館」は、映画やドラマなどで使用されたクラシックカーやスポーツカー、バイクが約100台展示されています。昭和の面影を感じる外観やユニークな人形などが置かれ、すでにレトロな雰囲気がたっぷり。
注目は、日本でも人気を博したランボルギーニのウラッコはとロータス・ヨーロッパの2ショット。また、初めて製品名にポルシェの名を冠した、ポルシェ356の後継「ポルシェ356A」も見逃せません。
他にもジャガーやキャデラック、シボレーなど、1930年代から1970年代にかけての名車がずらりと勢ぞろい。車ファンではなくても胸が高鳴る光景です。
また、館内に4カ所あるジュークボックスでノスタルジックな気分に浸るのも趣深いもの。
併設されているミュージアムショップでは、1000台以上にわたる世界中のミニカーが展示・販売されています。他では入手できない貴重なデッドストック物も見逃せません。トミカやおもちゃなどが販売され、お子さまも満足できるはず!
施設名 | 九州自動車歴史館 |
住所 | 大分県由布市湯布院町川上字無田1539-1 |
HP | http://ret.car.coocan.jp/ |
いずれの自動車博物館も、車を見てもらうために試行錯誤しながら独自の工夫を凝らしています。1台1台が丁寧に手入れ・管理されていて、オーナー・スタッフによる車への惜しみない愛情が感じられ、車好きとしてうれしくなりますね。博物館によって特色や雰囲気が異なるのも興味深いポイントです。
休館日や営業時間が変更になるケースもあるので、事前によくチェックしておきましょう。
常設展示だけではなく、イベントや期間限定で見られる車両もあります。気になる博物館があれば、ホームページやSNSをのぞいてみてくださいね。