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ダウンサイジングターボとは?メリット・デメリットについて

2023-6-16

日本ではハイブリットカーがメジャーなことから、車に詳しい方以外にはあまり知られていない「ダウンサイジングターボ」。しかし、外車のメインとなる生産地・ヨーロッパではダウンサイジングターボ搭載車は超メジャーな存在です。
今後外車を購入したいと思っている方は、この機会にぜひダウンサイジングターボについて学んでみましょう!

ダウンサイジングターボとは?
メリット・デメリットについて

「ダウンサイジングターボ」とは

「ダウンサイジングターボ」とは、「小型・小排気量化し、ターボでパワーをアップさせたエンジン」のことです。 

まず「ターボ」とは、エンジンの補機の役目を果たす装置のことです。ターボは空気を圧縮して酸素の量を増やし、同じガソリンの量でも爆発力を強めて、多くのパワーを生み出せるようにする仕組みです。ターボによりエンジンの排気量を大きくすることなく、パワーを向上させることができます。 

かつてターボは規格が原因で排気量を大きくできない軽自動車などのエンジンや、逆に排気量の大きいエンジンにパワーを追加するために使用されていました。そのような役割が必要だった理由は、従来のターボは「ターボラグ」という欠点があったからです。ターボは空気を圧縮するために、排気の圧力でタービンを回しますが、エンジンの回転が低いときは排気の圧力も低いため、十分に空気を圧縮できません。そのため、ターボがあってもパワーが出ないという問題がありました。 

しかし、近年ではタービンの小型化や流入経路の狭小化により、エンジンの回転が低いときでもパワーを出せるようになり「ターボラグ」は解消されました。つまり、エンジンのパワーが不足していても、ターボでパワーを補えるようになったということです。 

そうして生まれたのが「小型・小排気量化し、ターボでパワーをアップさせるエンジン」である「ダウンサイジングターボ」です。ダウンサイジングターボは、排気量を小さくすることで燃費を向上させることができます。また、エンジンを小型化することにより消費するガソリンや排気量を減らせます。さらに、ターボはエンジンの排気ガスを再利用するため環境にも優しいと言えます。 

燃費が良くなり、消費するガソリンが減り排気量が減るため日本では自動車税が安くなる。つまり、ダウンサイジングターボ搭載車は経済的で環境にも優しい車と言えます。 

なお、「ダウンサイジングターボ」の「ダウンサイジング」は、セダン・SUV・ミニバンなど比較的大排気量のエンジンを搭載していた車に対して、以前であればコンパクトカーなどにしか搭載されていなかった排気量の小さい、つまり「ダウンサイジング」したターボエンジンを搭載する、という意味を指します。

ダウンサイジングターボ搭載車種

国産車ではSUVを中心とした車種に搭載されていることが多い一方、ヨーロッパの自動車メーカーではあらゆる車種に搭載されています。

国産車

SUVを中心とし、ワゴン・セダンなどにも搭載されていますが、その車種は限定的です。 
以下がダウンサイジングターボ搭載国産車の一例です。

トヨタ
カローラスポーツ・C-HR・クラウン・ハリアー・ライズ(ダイハツ「ロッキー」のOEM車)
ホンダ
ステップワゴン・ヴェゼル
日産
ジューク
スバル
レヴォーグ
ダイハツ
ロッキー
スズキ
クロスビー

輸入車

国を問わずヨーロッパの多くの自動車メーカーでは、数多くの車種でダウンサイジングターボ搭載モデルが販売されています。 

先駆けはフォルクスワーゲン。車の大きさを問わず、全車種でダウンサイジングターボ化を進めています。また、フォルクスワーゲンに続き、ベンツ・ボルボ・BMWなど欧州のあらゆるメーカーがダウンサイジングターボ化を進めています。 

なお、自動車市場第1位の中国は、電気自動車の開発が盛んなためダウンサイジングターボ搭載車はメジャーではありません。また、第2位のアメリカも一時はダウンサイジングターボ化が進んでいましたが、現在はその動きは停滞しています。 

ダウンサイジングターボのメリット

お財布と環境に優しい

ダウンサイジングターボ搭載車は、エンジンが小型なため、消費するガソリンや排気量が少ないという特徴があります。そして、排気量が小さいため燃費が良いと言えます。また、排気量が小さいため、排気量によって税額が決まる自動車税が安くなります。つまり、ガソリン代や自動車税を節約でき、ガソリン使用量や排気ガス排出量を抑えることができるので、お財布と環境に優しい車と言えます。 

パワーの向上が期待できる

ダウンサイジングターボ搭載車は、エンジンが小型なため、消費するガソリンや排気量が少ないという特徴があります。そして、排気量が小さいため燃費が良いと言えます。また、排気量が小さいため、排気量によって税額が決まる自動車税が安くなります。つまり、ガソリン代や自動車税を節約でき、ガソリン使用量や排気ガス排出量を抑えることができるので、お財布と環境に優しい車と言えます。 

ダウンサイジングターボのデメリット

発進時のサポートができない

ターボは加速中や坂道走行中、高速走行中など、エンジンの回転数が高くなるときにパワーを発揮し、燃料消費を抑え燃費の良い走りをします。
しかし、ターボは発進時のサポートができません。ターボの仕組み上、エンジン回転数が上がって排気側の羽(タービン)が回らなければパワーを発揮しないためです。
エンジンが止まっている状態から発進するまでの短い時間では、タービンを回すのに十分なパワーが得られないのです。 

日本の道路環境ではカタログ燃費と実燃費の差が大きい

前述の「発進時のサポートができない」という特性に関連して、発進・停止の多い日本の道路環境では、「ダウンサイジングターボは期待するほど燃費がよくならない」という可能性があります。
特に都市部や市街地を走行する機会が多い場合は、カタログに記載されている燃費と実際の燃費に大きく乖離が出てしまう可能性が高いです。

NA車よりも車両本体価格が高い

ダウンサイジングターボ搭載車は、同じ排気量のNA車(ノーマル・アスピレーションもしくはナチュラル・アスピレーション、ターボがついていない自然吸気エンジンの車)に比べて車両本体価格が高くなります。
同じ排気量のHV(ハイブリッドカー)はさらに価格が高くなりますが、都市部や市街地を走行する機会が多い場合は、HVの方が燃費が良いためお得と言えるかもしれません。

日本でダウンサイジングターボ搭載車が主流にならない理由

ダウンサイジングターボ搭載車が最も普及しているのは、前述の通りヨーロッパです。理由は「EUの厳しい排気ガス規制に対応するため」です。

これまでヨーロッパでは燃費に優れ、トルクの大きいディーゼルターボ車の人気が高かったのですが、厳しい排気ガス規制が敷かれ、従来のディーゼルエンジンでは条件をクリアできなくなりました。そこで、急速に販売を推進したのが、小排気量で省燃費かつ低排出ガスのダウンサイジングターボ搭載車でした。

一方、日本ではダウンサイジングターボ搭載車はそれほど普及しておらずHVが人気です。理由はダウンサイジングターボ搭載車のデメリットで述べた通り、「日本の道路環境ではカタログ燃費と実燃費の差が大きいから」です。

 ターボは加速中や坂道走行中、高速走行中など、エンジンの回転数が高くなるときにパワーを発揮し、ガソリン消費を抑え燃費の良い走りをします。

 しかし、日本の道路は信号が多く、頻繁に発進・停止を繰り返します。発進の際エンジンはガソリンを消費しますが高速回転には至らないため、ダウンサイジングターボがパワーを発揮する場面がありません。渋滞でも同様の問題が発生します。その結果、日本では期待するほど燃費が良くならないというわけです。

 逆にHVの場合、発進時はモーターの力で動くためガソリンを消費しません。停止時は回生ブレーキを使ってモーターを動かす電気を貯蓄できます。頻繁に発進・停止を繰り返し、渋滞も多い日本は、HVの特長が活きる環境のため、ダウンサイジングターボ搭載車よりもHVが主流となっています。

 なお、ヨーロッパの排気ガス規制がより厳しくなった場合、ダウンサイジングターボ搭載車でも対応できないことが見込まれ、ヨーロッパでもHVやHEV(プラグインハイブリッド車)、EV(電気自動車)などの販売が必要になるのではないかとの声が上がっています。

ダウンサイジングターボについて理解を深められましたでしょうか。
ダウンサイジングターボはヨーロッパ産の外車に特に多く搭載されているので、これからヨーロッパの輸入車を購入しようと考えている方は、乗りたいメーカーや車種が搭載しているかの確認と、ダウンサイジングターボの特性を知ったうえで購入すると安心ですね。 


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