【自動車保険】代理店型とネット通販型の違い
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大切な愛車を守り、安全安心なカーライフを送るために必須なのが「自動車保険」です。近年ではネット通販型自動車保険のCMをよく見かけますが、従来の代理店型自動車保険とどのような違いがあるのでしょうか。また、外車ならではの保険加入の注意点はあるのでしょうか。
万が一の事故の際に、愛車やご自身・同乗者が充分な補償を受けられる保険に加入するため、今回の記事で詳しく学んでいきましょう。
【自動車保険】代理店型とネット通販型の違い
代理店型自動車保険のメリット
①事故や補償内容変更などの際に担当者に相談できる
事故で気が動転しているとき、顏を知っている担当者に相談できるというのは大きな安心材料となります。
また、事故や補償内容の変更などの際、契約者自身が保険会社に問い合わせしなくても、保険知識のある代理店の担当者が保険会社への進捗確認・交渉や申込書の手配を行なってくれます。
②過不足のない補償内容で契約できる
保険の専門家である代理店の担当者に相談して補償内容を決めることができるため、補償の抜け漏れがなく安心です。
ただし、車の使用頻度がかなり低いにもかかわらず、事故時の手厚いレンタカー補償を含めた見積もりが渡されるなど、必要以上の内容で見積もられることもあるので、どのような補償内容なのかしっかりと確認してから契約申し込みしましょう。
③事故対応の拠点や担当者数が多い
代理店型自動車保険は多くの都道府県に事故対応拠点があるため、「路面凍結事故が多い」「複雑な道路で事故が多い」などその土地特有の事故の特徴に詳しく、細やかな対応が可能になっています。
ネット通販型自動車保険の対応拠点は大都市のみということも少なくないため、対応面においては代理店型自動車保険の方が手厚いでしょう。
また、事故対応担当者の数も代理店型自動車保険の方が多く、契約者一人あたりの事故対応にかけられる時間が多いため、対応が早かったり、事故の相手方に対して優位に交渉を進められたりすることもあります。
代理店型自動車保険のデメリット
①ネット通販型自動車保険より保険料が高いことが多い
代理店を通して契約するスタイルのため、保険料には代理店手数料が含まれていることなどから、ネット通販型自動車保険より保険料が高くなることが多いです。
②いつでも契約申し込みできるわけではない
代理店の担当者に保険申込書を用意してもらわないと契約申し込みできないため、ネット通販型自動車保険のように365日24時間いつでも自分の好きなタイミングで契約申し込みすることはできません。
保険契約申し込みにまつわるやりとりに時間をかけたくない方や、オンライン完結する申し込み方法に慣れている方にはわずらわしく感じるかもしれません。
ネット通販型自動車保険のメリット
①代理店型自動車保険より保険料が安いことが多い
契約者が直接保険会社に契約申し込みするため、代理店手数料などの中間費用が発生しないことや、新規契約インターネット割引・継続契約インターネット割引・早期契約割引など代理店型自動車保険にはない割引があることにより、代理店型自動車保険より保険料が安いことが多いです。
②365日24時間好きなタイミングで契約申し込みできる
インターネットサイトを通して自分のタイミングでいつでも契約申し込みできるため、代理店型自動車保険のように代理店の担当者と何度もやりとりをしたり、代理店の営業時間内の契約申し込みが必要だったりすることがありません。
③各社独自の特約がある
代理店型自動車保険は各社ほぼ同じ内容の基本補償・特約となっており、もし一社で新しい基本補償・特約がリリースされたとしても、すぐに他社も同様の基本補償・特約がリリースされます。
一方で、ネット通販型自動車保険はその保険会社にしかない特約が用意されていることがあります。例えば、車でスノーボードやキャンプなどのアクティビティにでかけた場合のケガを補償する特約や、運転を誤って自宅や車庫に衝突した際の自宅や車庫の修理費を補償する特約など、代理店型自動車保険にはない独自の特約があります。
ネット通販型自動車保険のデメリット
①事故時、自分で直接保険会社とやりとりしなくてはならない
代理店型自動車保険に加入している場合、代理店の担当者が保険会社と交渉し、最大限の補償を受けられるよう事故解決まで対応してくれます。
一方、ネット通販型自動車保険に加入している場合、自分で保険会社とやりとりを進めることになるので、受け取ることのできる保険金の金額などに不満がある場合などは、自分で保険会社に交渉する必要があります。
②補償内容が充分でない場合がある
車両やケガの保険金額(受け取ることのできる保険金の金額)や、セットする特約を自分で決める必要があるため、保険料を安くするために車両やケガの保険金額を不十分な金額で設定してしまったり、本来必要な特約まで削ってしまったりするおそれがあります。
その結果、事故の内容によっては車両の修理やケガの通院に充分な金額を受け取れなかったり、全く補償が受けられなかったりすることがあります。
③事故対応の拠点や担当者数が少ない
ネット通販型自動車保険の保険料が安い一因として、「人件費や事務所・設備費用を抑えている」という理由があります。代理店型自動車保険の事故対応拠点が多くの都道府県にあるのに対し、ネット通販型自動車保険の対応拠点は大都市のみにあるということも少なくありません。
例えば「冬に北海道で発生した事故を東京事務所の担当者が取り扱う」という構図になり、雪国ならではの交通事情には詳しくない担当者が事故解決を進めるということが起こりえます。
また、事故対応担当者の数も代理店型自動車保険より少なく、契約者一人あたりの事故対応にかけられる時間が少なくなってしまうことがあります。
外車ならではの保険加入の注意点
①車両保険金額について
事故で破損した車を修理する際などに使用する車両保険。契約時に「修理代・新車購入代を保険会社が最大でいくらまで支払うか」という保険金額を設定しますが、自由な金額に設定できるわけではなく、全保険会社共通の取り決めである「車両価格協定」で定められている範囲内で金額を設定することができます。
外車の場合、1つひとつのパーツの価格が国産車よりも高く、カスタムしていくと購入額が「車両価格協定」で定められている金額を超えることも少なくありません。しかし、ネット通販型自動車保険だと、オンラインで申し込みが完結するシステムの都合上、「車両価格協定」を超える保険金額の設定が難しいです。
一方、代理店型自動車保険であれば、代理店の担当者が車の注文書などを確認し、車両本体価格と追加パーツ価格の合計をもとに保険金額を設定することが可能なので、「車両価格協定」を超える保険金額を設定することも可能な場合があります。
また、保険会社が支払う車両保険金の金額は、あくまで「現在の車の時価」が目安となります。「車の時価は新車購入時から年月とともに下がっていく(減価償却)」という考えに基づいて車両保険の保険金は支払われることになります。
したがって、珍しい外車やクラシックカーなど、マニアの中では市場価格が高い車であっても、保険会社としては「古い車であれば現在の車の時価は著しく低額、もしくは0円」となってしまいます。ネット通販型自動車保険であれば、車両保険はセットできないと考えてよいでしょう。
代理店型自動車保険でも車両保険のセットは難しいですが、条件によってはセットできる場合もあるので、まずは相談してみることをおすすめします。
②型式不明車について
並行輸入車を購入した場合、車検証上の型式が「不明」「フメイ」「FUMEI」または「‐英数字‐(ハイフンで挟まれている)」と表示されている「型式不明車」となっている場合が多いです。
ネット通販型自動車保険だと、契約自体が不可能であったり、車両保険をセットできなかったりする場合が多いです。代理店型自動車保険であれば、ほとんどの保険会社で保険加入が可能・車両保険もセットできます。
代理店型自動車保険とネット通販型自動車保険のメリット・デメリット、そして外車ならではの保険加入の注意点をご説明いたしました。
大切な愛車、そして運転するご自身や同乗者を守るためにも、万が一の事故の際に「こんなはずではなかった!」という内容の補償内容で保険契約をしないよう、慎重に検討していただければと思います。
次回は、自動車保険の補償内容に関する記事をお届けします!