【2035年EV化】外車のガソリン車が販売終了するのはいつ?各メーカーの目標や方針は?
車の電動化が進む一方で、ガソリン車の販売終了がいつだか気になっている人もいるのではないでしょうか?
この記事では、そもそもなぜ車の電動化が進んでいるのか、よく聞くカーボンニュートラルとは何なのか、EV化に対する各国の反応や各メーカーの方針などを詳しく解説していきます。
進む電動化…よく聞く2035年までにEV化とは?
多くの国や地域が、2035年に「機関者販売禁止」または、「ゼロエミッション車への完全移行」を目標としています。
日本政府も同じように、2035年までに新車販売で電動車100%実現を目標に掲げています。
以下の章では、EV化に対する各国の対応とカーボンニュートラルについて解説します。
EV化に対する各国の対応は?
2022年の世界での自動車販売台数は約7,870台。そのうち電気自動車(EV)が約10%(約774万台)を占めていて、とくに欧州・中国のおけるEVの販売台数は堅調に増加しています。
また、新型コロナウイルスの影響を受けた優遇策強化も起因し、欧州においては販売台数が急速に増加しているのが現状です。
各国の対応
EU | 2035年以降、ガソリン車やディーゼル車の新規販売を禁止 ※e-Fuelを使うエンジン車など一部のエンジン車は35年以降も販売可能 |
アメリカ | 2035年以降、EV車、PHV車、FCV車の新車販売目標が100% |
イギリス | 2035年販売目標がEV車、FCV車100% |
中国 | 2025年にEV車、PHV車、FCV車の販売目標が20% 2035年にEV車、PHV車、FCV車の販売目標が50%、HEV車の販売目標が50% |
日本 | 2030年にEV車、PHV車の販売目標が20〜30%、FCV車は〜3%、HEV車は30〜40% 2035年に電動車(EV、PHV、FCV、HEV)の販売目標が100% |
カナダ | 2035年に電動車(EV、PHV、FCV、HEV)の販売目標が100% |
タイ | 2030年にZEV30%生産目標 |
上記のように、多くの国や地域が2035年を目処に電動課化100%を目指すと発表しています。そのため、海外企業におけるモーターの技術開発も活発になっています。
そもそもカーボンニュートラルってなに?
EVやガソリンや車廃止のニュースを聞くと、必ずと言っていいほど聞くのが「カーボンニュートラル」という単語です。
しかし、そもそもカーボンニュートラルとは一体なんなのでしょうか?
日本は、2020年10月に「2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにするカーボンニュートラルへの挑戦」を宣言しました。
つまり、2050年には温室効果ガスのない世界にしましょう! そのためにい今から対策を練りましょう! といった取り組み全体のことをカーボンニュートラルと言うのです。
自動車分野では、やはり2030年や2035年を区切りにさまざまな目標がたてい立てられています。
また、上記のような電動化目標のほかに、カーボンニュートラルに付随して以下のような目標にも取り組んでいます。
蓄電池目標 | 2030年までのできるだけ早期に、国内の車載用蓄電池の製造能力を100GWhまで高める。 |
充電・充てんインフラ目標 | 公共用の急速充電器を2030年までに5倍(3万→15万台)に拡大する。 |
各外車メーカーの方針は?
では、実際に海外のメーカーではどのような方針や対策を行っているのでしょうか。
以下より主要メーカー各社の動きについて詳しくみていきましょう。
メルセデス・ベンツ
メルセデス・ベンツのオラ・ケレニウス社長は「顧客の準備が整っていない」とし、2030年以降もPHV車を含むエンジン車の販売を続ける考えを示しています。
BMW
BMWのオリバー・ツィプレ最高経営責任者はパリ自動車ショーにて、2035年からのガソリン車の新規販売禁止計画を取りやめるべきだと発言しています。
これは中国の電池サプライチェーンへの依存度を減らして、自国の強みを発揮したいという思いからです。
アウディ
アウディのゲルノート・デルナーCEOは、2024年現在、2033年までに内燃エンジン車を段階的に廃止する計画を継続しており、エンジン電動化に前向きです。
しかし現在のところは、EVの需要変動に応じて「柔軟」に対応していく必要はあるとしています。
フォルクスワーゲン
これまでEV販売をかなり強化してきたフォルクスワーゲンのトーマス・シェーファーCEOも、この先10年程度は両立をさせていく必要があると方針を変更しています。
しかし、EVモデルを製造するために工場を1つリフォームしているフォルクスワーゲンとしては、なるべく電動化の方向へも持っていきたいのではという意見もあります。
ボルボ
ボルボは2030年までに全新車を電気自動車とする目標を撤回する発表を行いました。EV需要の伸び悩みや、各国政府の補助金の打ち切りなど事業環境が厳しくなっている点も背景にあるようです。
そのため30年までに販売する新車の9割以上をEVかPHV車とし、最大1割をHV車とする新たな目標を設定しています。
ステランティス
『ステランティス』は、アバルト、アルファロメオ、クライスラー、シトロエン、ダッジ、DS、フィアット、ジープ、ランチア、マセラティ、オペル、プジョー、ラム・トラックス、ボクスホールの14ブランドで構成される多国籍自動車メーカーです。
ステランフィスでは、各メーカーがEV化に消極的になるなか、依然として2035年の目標とする新車の排出する二酸化炭素100%廃止を堅持すると表明しています。
実際にガソリンおよびディーゼル車の生産を大幅に削減する計画を発表しています。
いくつかの海外メーカーの最近の動向を紹介しましたが、いかがだったでしょうか?
2035年にはEV化を…と発表された当時からすると、ほとんどのメーカーがEV化に消極的になってきているように見えます。
というのも、その背景には電気自動車の需要の低迷化があるのです。
街なかで充電器を見ることが増えたとは言えども、まだまだインフラ整備は十分とはいえません。
また、航続距離が短かったり充電に時間がかかったりと、ガソリン車に比べると実際の日常での不便さは否めません。
しかし、実際に販売される車はPHV車はHV車などが主流となっており、確実にガソリン車の販売は減ってきています。
各メーカーともEV移行へのさまざまな対策を講じています。
例えば問題の航続距離についても、技術の躍進によりマイナーチェンジされる度に航続距離は伸びています。メルセデス・ベンツの新型CLAでは、10分の充電で300kmの走行(1回の充電で750km以上走行)が可能になりました。
またEUでは、2025年1月1日よりフリート排出目標を厳格化されます。排出量の基準値は115.1g/kmから93.6g/kgに引き下げられ、これを超えたメーカーには罰金が課せられるとのことです。そのため、欧州メーカーはEVにシフトせざるをえない一面もあるのです。
2035年以降のガソリン車はどうなる?
新車販売の話ばかりしてしまいましたが、2035年以降も中古車として販売されているガソリン車は購入可能です。
しかし、2050年のカーボンニュートラル実現に向けて、各種税金の引き上げなどガソリン車を所有することによる経済的負担は大きくなるでしょう。
国内メーカーの対応も紹介
海外メーカーの動向を紹介しましたが、ここからは国内メーカーの動向についても簡単に紹介したいと思います。
トヨタ
トヨタはEV化に対して当初から一歩引いた見解を示しています。
30年に世界で年間350万台のEV販売を目指すとし、EV車の販売を100%にするとは名言していません。
一方レクサスは2035年に100パーセントEV化を目標としています。
ホンダ
ホンダは2040年にグローバルでのEV /FCEVの販売比率100%とする目標に変化はありません。
2030年にはFV者やFCEV車の販売比率は40%、200万台以上のEVを生産する計画です。
日産
日産はすでに欧州では2030年までにすべての新車をEVモデルとする発表をしています。
2050年までにはクルマに関わるライフサイクル全体のカーボンニュートラル移行を目標に掲げています。
マツダ
内燃機関になみなみならぬ情熱があるマツダも、電動化に向けた新たなロータリーエンジンの開発などに勤しんでいます。2030年までにEVの比率を25〜40%を目標としています。
このように日本のメーカーは海外メーカーほどEV化に前のめりではなく、現実的な数字を発表しているメーカーがほとんどです。
HV、PHV車を含め、国産の新車販売がすべて電気自動車になる日はまだ少し遠いかもしれませんね。
まとめ
2024年現在では、2035年に向けた排気ガスゼロへの取り組みの鈍化であったり、需要の低下によってEVの販売台数は予想より下回っています。
その影響か、外車メーカーの多くは2030年ないし2035年の新車販売目標を修正しているメーカーがほとんどです。
実際、外車におけるガソリン車の販売終了時期は、2035年計画発表当時より遅くなったのは確かです。
もしかしたら今が人気のガソリン車に乗れる最後のチャンスかもしれません。
今後、ガソリン車はリセールバリュー的に価値が上がる可能性があるので、気になるガソリン車は今のうちに購入するのもいいかもしれませんね。