輸入車ミニバンに最適なタイヤとは?その特徴と選び方
ミニバンは、セダンやステーションワゴンよりも車高が高く、カーブの遠心力によるロールが大きくなります。
また、高速道路では風の影響を受けやすく、ふらつきやすい傾向にあります。
走行中、クルマが左右に振られると、タイヤはふらつきを抑制するために踏ん張ります。踏ん張ることでタイヤの接地面の外側にのみ負担がかかります。
そのため、タイヤの外側のみ擦り減ってしまう「扁摩耗」が発生します。
輸入車のミニバンは、国産車よりも比較的背が低く走行安定性が高いといわれていますが、それでもタイヤへの負担はセダンに比べて大きくなっています。
今回は、輸入車ミニバンに最適なタイヤとはどのようなタイヤなのか、その特徴と選び方などを紹介します。
ミニバンにはミニバン専用タイヤがおすすめ
タイヤには色々な種類があり、スポーツカー向けのタイヤ、乗り心地静粛性重視のタイヤ、低燃費志向のタイヤ、SUV用タイヤ、ミニバン用タイヤなどさまざまです。
近年では、乗用車志向のSUVが多くなっており、ミニバン専用タイヤは、車高の高さなと車体形状が共通することもあり、SUVユーザーからも選ばれています。
ミニバン専用タイヤの大きな特徴は、タイヤのトレッド面(接地面)が左右非対称になっています。
外側のブロックが内側よりも大きく、カーブで横揺れを防ぎ、安全性と乗り心地を向上させる効果があります。
扁摩耗を発生させにくいミニバン専用タイヤは、長持ちするため経済性にも優れています。
ブリヂストン REGNO GRVⅡ
ブリヂストンのコンフォートシリーズ「REGNO」のミニバン専用タイヤです。
ミニバンのサードシートは、通常リヤタイヤの上に位置するためタイヤノイズが響きます。サードシートから運転席までは距離があるため、車内での会話は聞こえづらくなりがちです。
REGNO GRVⅡは、ブリヂストンのサイレントテクノロジーを駆使し、静かな車内空間を実現しています。さらにGRVⅡは、先代のGRVと比較して約19%のノイズレベルを低減しました。
走行性も「レグノミニバン用サイドチューニング」により、ミニバン特有のふらつきを高次元で低減しています。
カーブのみでなく、路面のうねりや横風によるふらつきも最小限に抑え、上質な走りを提供します。
メルセデスベンツ Vクラス、フォルクスワーゲン シャランなど、比較的車両重量の重いクルマに最適なタイヤです。
トーヨー TRANPATH mp7
トーヨータイヤのトランパスシリーズは、いち早くミニバン専用タイヤとして開発されたブランドです。
トレッド面外側のブロックに「高剛性ブロック」を採用し、カーブや車線変更時のふらつきを抑制し安定した走りが可能です。
また、接地面を広く確保した「ワイド4リブ化」によって耐摩耗性能を向上させ、ロングライフを実現しています。
従来モデルのmpZで弱点と指摘されていたウエット性能については、新配合のスーパーグリップコンパウンドを採用することでかなり改善されています。mp7では優れたウエット性能を実現し、ウエット制動距離比較では、従来のmpZに比べ約15%短縮しています。
BMW 2シリーズのグランツアラーやフォルクスワーゲン ゴルフトゥーランなどミニバン全車、ルノー カングーやシトロエン ベルランゴなどの背の高い5人乗りミニバンにも最適です。
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ヨコハマ BluEarth RV-03
ヨコハマタイヤのブルーアースシリーズは、優れた静粛性とロングライフ、ウエット性能に優れたブランドです。
その中でも車高の高い車種向けに開発されたのがBlueEarth RVシリーズです。
タイヤラベリング制度では、転がり抵抗性能AA(サイズによってはA)、ウエットグリップ性能は最高ランクのaを獲得しています。
タイヤの溝に工夫を加えた「3次元サイプ」は、トレッド面の剛性の違いにより周波数を分散させ、ロードノイズを抑制しています。
先代のRV-02と比較して、全ての座席で気になるロードノイズを抑え乗り心地を向上させています。
メルセデスベンツ Vクラス、フォルクスワーゲン シャランなど、比較的車両重量の重いクルマに最適で、輸入車ミニバン各車種におすすめです。
また、メルセデスベンツのGLAやGLBなどのGLシリーズ、アウディ Q3、BMW XシリーズなどのSUVにもおすすめです。
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ケンダ KR201 KENETICA
台湾のタイヤメーカーで、ヨーロッパやアメリカなど世界各地で販売実績があり、技術力や品質が認められています。
KR201 KENETICAは、トレッド外側に幅広ブロックを採用しカーブでのふらつきを抑制するとともに、内側には走行ノイズを抑制するためのトレッドパターンを採用し、静粛性を高めたミニバンにおすすめなタイヤです。
タイヤのショルダー部分の剛性を高め、高速走行でもより安定した走行が可能です。
15インチから18インチまでのサイズを用意し、国産タイヤメーカーの価格よりもお求めやすいのがメリットです。
アジアンタイヤを試してみたいという方にもおすすめです。
19インチ以上のタイヤは用意されていませんので、コンパクトからミディアムクラスの輸入車ミニバン、SUVにおすすめです。
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一般的なタイヤを使用するのはダメなの?
クルマのタイヤは、サイズが合えば全て使用可能です。
しかし、クルマの特性によってタイヤの扁摩耗が発生したり、結果長く持ちしないなどのデメリットが発生します。
ミニバンのタイプによっては一般的なタイヤも可能
輸入車ミニバンでも、サイズさえ合えば一般的なタイヤも装着可能です。
プジョー 308SWの3列シート車は、ミニバンよりもステーションワゴンのスタイルのため、一般的なタイヤを使用しても問題ありません。
BMW 2シリーズグランツアラー、シトロエン C4スペースツアラーやピカソ、フォルクスワーゲン ゴルフトゥーランなど背の低いミニバンの場合も、一般的な低価格なタイヤを使用しても問題はありません。ただし、長距離走行や高速走行をほとんどせず、走行距離が少ない場合に限ります。
しかし、走行安定性と長持ちする経済性を考慮するとミニバン専用タイヤの方がおすすめです。
ミニバン専用タイヤは、車高の高いミニバンの特性に合わせて設計されています。
したがって、一般的なセダン、ハッチバック、ステーションワゴン向けのタイヤと比較して価格は高めです。
ミニバン専用タイヤでも乗り方次第で招く扁摩耗
ミニバン専用タイヤを装着しても、乗り方次第ではトレッド面外側のみが摩耗する扁摩耗を招きます。
あくまでも扁摩耗しにくい、一般的なタイヤよりもカーブでロールしにくいだけで、全くしないわけではありません。
カーブでは速度を落し、急加速や急減速など急とつくような操作をしないなど、無理のない安全な走行をすることが前提です。
特に、交差点などでハンドルを切ったまま急発進や急加速を繰り返すと、当然タイヤはすり減ります。
低価格にこだわるならアジアンタイヤがおすすめ
普段あまり走行しない、ロングドライブはしないという方で、タイヤはできるだけ安く購入したいならアジアンタイヤもおすすめです。
クルマの中で唯一路面に接しているタイヤは安全性能に直結します。
安全なタイヤを選ぶ際は、世界での販売実績や日本での販売実績などもしっかり調べることが大切です。
アジアンタイヤのなかでも世界各地に出荷しているメーカーであれば、ヨーロッパの制限速度無制限のアウトバーンでも安心して走行できる高水準のタイヤということです。
ミニバン専用に設計されていないとしても、トレッドパターンが左右非対称のタイヤも多くあります。
国内メーカーの乗用車用タイヤよりも、サイドウォールの剛性が高いタイヤも数多くあるためおすすめです。
輸入車ミニバンの査定におけるタイヤの注意点は?
輸入車ミニバンに限らず、全てのクルマに共通するポイントですが、査定時にはタイヤの摩耗、残りの溝の深さに注意する必要があります。
タイヤの溝の深さは、一番擦り減っている部分または一番溝が浅い部分で査定をされます。
ミニバンの場合、タイヤの外側が減りやすいため、内側や中央部分よりも溝が浅い外側で査定されます。
溝の深さ5mm以上でプラス評価、1.6mm以下でマイナス評価、それ以外は0評価(標準)です。
タイヤの内側の溝が6mmあっても外側が4mmなら0評価で、内側が5mmで外側が1.5mmの場合、マイナス評価かつ車検に通らない状態です。
ミニバン専用タイヤで扁摩耗を防ぐことは、クルマの高価買取にも直結します。
ミニバンのタイヤ選びのまとめ
輸入車ミニバンにはトレッド面が非対称パターンで、外側に大きなブロックを採用したミニバン専用タイヤがおすすめです。
タイヤの扁摩耗は、買取価格、査定に影響します。ミニバン専用タイヤを使用して丁寧な運転を心がけることで扁摩耗による査定の減点を防ぐことができます。
ミニバン専用タイヤは、国内外にさまざまなタイヤメーカーにあるため、車種やライフスタイルに合ったタイヤ選びをすることが大切です。