輸入車のタイヤ選び 輸入車に輸入タイヤもアリ!?
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輸入車のタイヤ選びは、国産車と比べて大変と感じている方も多いかと思います。
ホイールが国産車の場合、ナットで固定しますが、輸入車の場合はボルトで固定します。
また、PCD(ピッチサークル・ダイアメーター:車軸に固定するボルト穴の中心点の距離)も国産車の場合、100もしくは114.3ですが輸入車はさまざまです。
ホイールがなかなか気に入ったのが見つからないなど、ホイールに拘るあまりに、タイヤについてはノーマークの方おりませんか?
今回は、輸入車のタイヤ選びについてノーマルタイヤ、スタッドレスタイヤなどタイプ別に、輸入タイヤはアリかナシかについてズバリお答えします。
輸入タイヤとは?
タイヤは日本国内メーカーのタイヤと海外メーカー、海外から輸入されるタイヤがあります。
海外メーカーのタイヤの中には、ミシュランタイヤ、ピレリ、コンチネンタル、グッドイヤーは日本でも馴染みのあるタイヤメーカーです。
グッドイヤーはアメリカのタイヤメーカーですが、日本国内を含むアジア市場向けタイヤの製造委託を住友ゴム(ダンロップ・ファルケン)に行っているため、国内メーカーに近いと言えます。
輸入タイヤの中でも、アジア製のタイヤ、タイヤメーカーが価格の安さで注目されています。
インドネシア、中国、台湾、韓国の「アジアンタイヤ」が国内タイヤメーカーの製品価格と比較して、半額~4分の1の価格で購入できるタイヤもあります。
アジア製タイヤが安い理由
東南アジア諸国はタイヤの原料となる「天然ゴム」の産地が近く、天然ゴムの輸送コストが抑えられています。
加えてタイヤ製造にかかる人件費も安いため、日本国内やヨーロッパ諸国、アメリカのタイヤメーカーよりも価格を安く販売できるのです。
輸入車には輸入タイヤが標準?
輸入車の新車装着タイヤには、輸入タイヤが標準で装着されることが多く、輸入車なのでタイヤも海外製と考えれば納得するでしょう。
つまり、輸入車に輸入タイヤは「アリ」で、タイヤを買い替える場合にも新車装着タイヤを参考に選ぶのも良いでしょう。
ドイツのメルセデスベンツにはコンチネンタルタイヤ、フランス車にはミシュランタイヤ、イタリアのフェラーリにはピレリなど有名です。
フェラーリには承認タイヤと呼ばれるタイヤがあり、サイドウォールに「F」のロゴがあります。
BMWやメルセデスベンツ、ポルシェなどにも各メーカーの承認タイヤがあります。
ピレリやミシュランなど海外メーカーのほか、国内タイヤメーカーではブリヂストン、横浜タイヤなど様々なタイヤメーカーのランフラットタイヤが該当します。
夏タイヤはアジア製タイヤもおすすめ
タイヤのサイズは、各メーカーアルミホイールの大径化に伴い、インチ数の大きいサイズが目立っています。
以前は14インチ~16インチの車種が目立ったものの、近年では16インチ~18インチを標準で装着する車種が多くなっています。
輸入車では17インチ~20インチ以上の車種も多く、タイヤの価格も上昇しています。
そのため、現在は低価格なアジア製タイヤが注目されています。
アジア製タイヤでも、国内や海外の有名タイヤメーカーと遜色なく安心安全、かつ低価格で購入できるタイヤメーカーが数多くあります。
ケンダ(KENDA)
ケンダは台湾のタイヤメーカーで、世界150カ国以上で販売されています。
軽自動車からスポーツタイプのクルマ、ミニバン用タイヤなど幅広いラインナップが特徴で、安くて性能が良いタイヤです。
筆者自身、ボルボ V60にケンダ製タイヤを装着していますが、1.5万km走行し片減りや扁摩耗は一切なく快適に使用しています。
ハンコック(HANKOOK)
ハンコックは韓国のタイヤメーカーで、韓国国内で1位、アジアで3位のタイヤメーカーです。
横浜タイヤと技術提携を行う他、トヨタ自動車、日産自動車、三菱自動車の新車装着タイヤに選定されるなど品質が認められています。
ナンカンタイヤ(NANKANG)
ナンカンタイヤは台湾のタイヤメーカーで、世界180ヵ国に製品を出荷しています。
筆者はプジョー 206SWにナンカンタイヤを装着していましたが、片減り、扁摩耗は一切なく、快適に使用でき、ロードノイズよりもエンジン音が気になるくらいでした。
ナンカンのコンフォートタイヤは、静粛性に優れスポーティな走行にも適しているため、スポーツセダンにおすすめです。
クムホ(KUMHO)
クムホは韓国のタイヤメーカーで、多くの自動車メーカーに新車装着タイヤとして供給しています。日本では約40年の歴史があり、大手カー用品店のプライベートブランドとしてタイヤを供給しています。
日本国内向けスタッドレスタイヤの開発や、低燃費タイヤの開発にも力を入れているメーカーです。
ネクセン(NEXEN)
ネクセンは韓国のタイヤメーカーで、1942年創業以来80年以上の歴史があります。
ポルシェ カイエンの新車装着タイヤに採用される他、フォルクスワーゲンなど世界17の自動車メーカーに新車装着タイヤとして採用されています。
アジア製タイヤの注意点
アジア製タイヤの品質は年々向上していますが、中には粗悪なタイヤもあるので注意しましょう。
タイヤ内部のワイヤー量が少ないためパンクのリスクがあるものや、扁摩耗して1年以内で使えなくなってしまった、なかにはゴムの品質が悪いなどの理由で、静粛性や快適性がなく、ロードノイズがひどいタイヤもあります。
タイヤメーカーをしっかり調べて、大手タイヤショップやカー用品店、信頼できる自動車販売店から購入することをおすすめします。
スタッドレスタイヤは日本国内メーカーを推奨
輸入車に装着するスタッドレスタイヤは、日本の冬を熟知し研究され開発されたスタッドレスタイヤを選ぶことをおすすめします。
近年では、東北地方でも積雪量は少なく、冬でも乾燥路面を走行することが多くなっていますが、異常気象や南岸低気圧によって急な積雪や路面状況の変化に注意が必要です。
雪の降り始めの軽いシャーベット状、新雪の場合はどのメーカーのスタッドレスタイヤ、オールシーズンタイヤでも効果を発揮します。
しかし、一度溶けて固まった「アイスバーン」の路面や、濡れているように見えて凍結している「ブラックアイスバーン」では、日本の冬を熟知し研究したタイヤメーカーが最も効果を発揮します。
以下は、日本の冬道を走るのに適したメーカーとしておすすめです。
- 日本国内の各タイヤメーカー
- グッドイヤー [住友ゴムを採用]
- ミシュランタイヤ [日本での販売実績が高い]
- ナンカンタイヤ[北海道で走行テストを繰り返し研究]
- ハンコック[日本向けのスタッドレスタイヤを開発]
- クムホ[日本向けのスタッドレスタイヤを開発]
ピレリはスポーツタイプの輸入車におすすめ
フェラーリやポルシェなどスーパースポーツタイプの輸入車に、日本国内メーカーのスタッドレスタイヤのサイズがない場合があります。
夏タイヤでフェラーリ承認タイヤのひとつでもあるピレリは、スタッドレスタイヤでもフェラーリに合ったサイズを提供しています。
ピレリのスタッドレスタイヤはゴム質が硬めなため、アイスバーンの路面では十分注意が必要ですが、乾燥路面の高速道路をスタッドレスでも安心して安定の走りが楽しめるメリットがあります。
フェラーリやポルシェを雪道が普段使いする方は少ないと思いますので、参考までに留めていただければと思います。
売却時は4本同一銘柄タイヤが必須
輸入車の売却のみならず、クルマの売却時に高額査定を望むならタイヤは4本夏タイヤかつ同一銘柄であることが条件のひとつです。
前輪だけすり減っているため、2本だけ購入したいと思う方も少なくありませんが、輸入タイヤを4本セットで購入し装着することで売却時に有利になります。
前輪、後輪同一サイズの場合は、定期的なタイヤローテーションで長持ちさせることができます。
タイヤがすり減った状態と新品の状態で、査定額がいくら違ってくるのかを確認することが大切です。
その差額次第で、タイヤを新しくする方が得か、すり減ったまま売却するのが得かわかります。