どんどん増えている?メルセデス・ベンツのクラスを一挙紹介
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ひと昔前は、AからSクラスまでとわかりやすく、Sクラスがステータスの証。なんて時代もありましたが、いまのベンツは違います。
ラインアップも多種多様になり、伝統的なメルセデス・ベンツのスタイリングからモダンなスタイリングまで、ドライバーの好みにあったベンツが選べるようになりました。
この記事では、そんなベンツのクラス紹介と明日から使えるちょっとしたベンツの小ネタを紹介します。
メルセデス・ベンツの歴史
高級車の代名詞のようなベンツですが、それもそのはず。世界で最初に自動車を作ったメーカーだからです。
「世界で最初の自動車は?」と言えば、それは1770年頃にフランスのキュニョーがつくった「蒸気自動車」です。
しかし、現在の主流であるガソリン自動車をつくったのは、1880年代初めにカール・ベンツとゴットリープ・ダイムラー、のちにメルセデス・ベンツの基礎をつくったふたりでした。
その後、1913年にはアメリカのフォードが大量生産を始め、自動車は急速に世界に広がったのです。
世界初の自動車はメルセデス・ベンツ
カール・ベンツが1885年に設計し、1886年1月29日に特許を申請したベンツ・パテントモトールヴァーゲンこそが世界初の自動車です。
その後、1900年にダイムラー・モトーレン・ゲゼルシャフト社が、軽量でパワフルなエンジン、ロングホイールベスで低重心という新しい自動車の開発を行いました。
最初に開発されたモデルには、当時10歳だった開発者の娘の名にちなんで「メルセデス」と名前が付けられたのです。その後1959年にはいまの自動車の形にかなり近いものとなりました。
ちなみに世界初の自動車「ベンツ・パテントモトールヴァーゲン」は、日本でも愛知県のトヨタ博物館でレプリカを見ることができるので、気になる人はぜひ訪れてみてください。
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メルセデス・ベンツには「世界初」がたくさん
伝統的なメルセデス・ベンツには「世界初」の記録も多くあります。
1978年には世界ではじめてABSがSクラスに採用されました。また、運転席にエアバッグ、助手席側にシートベルトテンショナーが装備された量産車の生産も1981年に登場したSクラス126モデルが初です。
「世界初」の記録を多くもつベンツ。車好きからも、そうでない層からも一目置かれる存在なのも頷けますね。
スリーポインテッドスター
メルセデス・ベンツのエンブレムは月桂冠をあしらっていて、1925年に誕生しました。
本名は「スリーポインテッド・スター」です。エンブレムデザインを大きく変えるメーカーもあるなか、ベンツはこのスリーポインテッド・スターのデザインをほぼ変更していません。
公式ホームページには
メルセデスのスリーポインテッド・スターは、単なるロゴではありません。時代を超越したデザイン、最先端技術、細部へのこだわりをベースにしたエキサイティングな体験を象徴しています。
出典:メルセデス・ベンツ公式サイト
と記載されています。ベンツの伝統や誇りを表した、画期的なロゴなのです。
日本で最初のメルセデス・ベンツは御料車
日本でのベンツの歴史は古く、1912年にまで遡ります。その年に「メルセデス カルダンヴァーゲン」が御料車として輸入されました。
ベンツの販売といえばヤナセやシュテルンのイメージがありますが、意外にも最初に販売をはじめたのは1933年にルード・ラーティンエン商館という企業でした。
その後、1986年にダイムラー・ベンツAGの100%子会社としてメルセデス・ベンツ日本株式会社が設立。
何度か拠点を移し、現在の本社は千葉県千葉市美浜区。2024年にメルセデス・ベンツ日本合同会社に組織・会社名を変更しています。
日本でのベンツの売上は現在好調そのもの、2015年からは日本における輸入車年間販売ランキング1位を死守しています。
なるほど、昔は手の届かない高級車というイメージだったけれど、AクラスやGLBなど比較的手の届くベンツが増えたからかな、と思うには時期早々です。
近年はなんとGクラス、Eクラス、マイバッハの売り上げがとくに好調だということで、日本のどこかでは景気がいいのです。
メルセデス・ベンツ最新クラス一覧
ベンツのクラス分けはなかなかに難解です。
ここでは、メルセデス・ベンツ公式ホームページのラインアップのように車のタイプ別(セダン、クーペなど)に分けるのではなく、クラスごとに紹介します。
なお、AMGとマイバッハは今回は抜いてご紹介となることご了承ください。
Aクラス
コンパクトクラスのベンチマークとも言えるAクラス。
しかし、価格帯やAクラスという名前に惑わされてはいけません。以前のおにぎり型なAクラスの存在は忘れましょう。
いまや立派なプレミアムコンパクトカーとして人気を博しています。
2025年に生産中止の噂が流れていましたが、メルセデス・ベンツEV化計画の後退に伴い、2025年以降もしばらくは生産される見込みです。
Bクラス
コンパクトMPVモデルのBクラスは、Aクラスと同様のプラットフォームを採用しています。
ベンツのなかでは手の届きそうな価格帯となっています。
とはいえ、MBUXの採用や十分な先進安全性能を有していて、エクステリアも含めベンツとして申し分ない作りとなっています。
Cクラス
Cクラスはベンツのベストセラーモデルです。Sクラス譲りのデザインや最新技術を多数採用しています。
古くは新技術はすべてSクラスから、といったイメージのあったベンツですが、Cクラスで初採用される技術もあるくらいです。
セダンとステーションワゴンがあり、売れ行きも上々です。
Eクラス
セダン、ステーションワゴン、クーペ、カブリオレと種類も豊富のフラッグシップモデルです。
直近では新型にSUVとステーションワゴンの実用性を併せ持つクロスオーバーモデル「E 220d 4MATIC All-Terrain(ISG搭載モデル)」を発売しました。
新型Eクラス唯一の4WDクリーンディーゼルモデルです。
Sクラス
ベンツの代表モデルであり、象徴でもあるクラスです。エクステリア、インテリアともに洗練され自分での運転はもちろん、ドライバーシップカーとしても活躍します。
3リットル直6ディーゼルターボとマイバッハS680の6リットルV12ツインターボ以外はすべて電動化されているのも特徴です。
Gクラス
1979年に誕生して以来、そのエクステリアデザインには大きな変化もなく、オフローダー車として頂点であり続けています。
インテリアと機能性はその無骨なフォルムからは考えられないほど現代的です。2024年7月に発売された新型Gクラスでは、MBUX(※)が初採用されました。
※メルセデス・ベンツ独自のインフォテインメントシステム。運転中も音声やタッチ操作でさまざまな機能を操作することができるシステムです。
Vクラス
Vクラスはベンツ唯一のミニバンタイプです。
以前のVクラスは本国では商用車扱いが多かったこともあり、ベンツ特有の快適さなどが薄いイメージでした。しかし、いまではプレミアムミニバンとして快適性、機能性もアップデートされています。また、
Vクラスをベースとしたキャンピングカー「マルコポーロ」が欧州では発売されており、日本からも熱い視線が注がれています。
CLA・CLAクーペ・CLEクーペ・CLEカブリオレ
Aクラスをベースとした4ドアクーペ/シューティングブレークがCLA。
CクラスとEクラスの中間サイズとして、2ドアクーペのCLEとCLEカブリオレ(2024年6月)が登場しました。
GLA・GLB・GLC・GLCクーペ・GLE・GLEクーペ・GLS
GLの後に続くローマ字のクラスがベースとなったSUVが続々と登場しています。
GLBはとくに人気が高く、日本での需要も高く輸入車でははじめて3列シートが採用されています。
EQA・EQB・EQE SUV・EQS SUV
EQの部分を「GL」にしたモデルに相当する電動モデルです。(例:EQAはGLAがモデル)
ベンツは電動化にも注力しているので、今後はさらに展開していくことが見込まれています。
まとめ
メルセデス・ベンツのクラス、ラインアップは複雑化し、時代とともにさまざまなニーズに沿ったモデルが登場しています。
また、プラットフォームもどんどん開発されており、実はなんとCクラス、Eクラス、Sクラスは共通のプラットフォームになっているのです。
伝統的な佇まいからは想像できないほど斬新な革新を続けるベンツ。新旧含めラインアップを改めておさらいしてみましたがいかがでしたでしょうか?
以前のクラスのイメージから進化している車種も多くありますので、気になったクラス、車種がありましたら、ぜひ詳しく調べてみてください。