スペインの高級スポーツカー「HURTAN(フータン)」を見に行ってきた!
日本ではヨーロッパ車が人気。特にメルセデス・ベンツをはじめとしたBMWやアウディなどを有するドイツ車や、フォルムがおしゃれでかわいい車が多いフランス車、尖ったデザインセンスがかっこいいイタリア車などは日本でも見かける機会はそこそこありますが、なぜかスペインの車って見ないし聞かないですよね。
スペイン好きな日本人多い(筆者もスペイン好き)し、スペイン料理も人気なのに・・・
と思っていたら、スペイン車の販売店ありましたよ!それは日本初のスペイン産スポーツカーを製造する『フータン(HURTAN)』という自動車コーチビルダー(改造車体メーカー)。
スペインと言えば情熱の国、ピカソやダリを生んだ国、きっと個性的な車であるに違いない!
しかも世間ではフータンはスペイン版の光岡自動車とも言われているではないですか。
ひと癖ある車やバイク好きな筆者(でも詳しくないw)としては「ぜひ実車を見てみたい!」ということで、日本で唯一の正規販売代理店がある大阪の『HURTAN JAPAN』まで見に行ってきました。
ちなみに筆者(女)は車専門ライターどころか車に詳しいわけでもない、ただの珍しい車を見るのが好きなミーハーな素人です。非常に偏った目線でクローズアップしているので、専門的な解説や分析は公式サイトやプロライターさんの記事を読んでください(汗
フータンのベースはマツダ『ロードスター』
見学レポートの前にまずは前知識を。
フータンについてすでにご存じの方であれば知っている事実だと思いますが、フータンはマツダのロードスターがベース車両になっています。
なのでエンジンや足回りのパーツは基本ロードスターと同じ。
とはいってもフータンは左ハンドル。どういうこと?それはロードスターの輸出車をカスタムしているから。スペイン仕様の『MX-5』をフルカスタムしているのがこのHURTAN(フータン)なんです。
日本で購入できるのは「グランド アルバイシン」という車種の『ヘリテージ』と『ビスポーク』という2種類のグレード。ちなみに今回見学をさせてもらったのはヘリテージになります。
いざフータン初潜入!
今回は外車バトンからの紹介でフータン販売店に来訪させてもらえることとなり、ウキウキの初フータン見学です。
販売店があるのは大阪市西区。なにわ筋沿いのビルの一角にショールーム兼販売店があります。
店内に入るとさっそく目の前にHURTANのヘリテージがドーンと飛び込んできます。
思わず「かっこいい・・・」と声が出てしまいました。語彙力ない表現ですが、とにかくかっこいいんです!そしてセクシーなんです!これがまずファーストインパクト。
ちなみに冒頭のヘリテージの写真は、フータン30周年の限定モデル『フータン グランド アルバイシン ローンチエディション』です。
クラシックとモダンが融合した美しさ
ヘリテージの全体のフォルムはクラシックそのもの。特にボディからフェンダーにかけて曲線は1930年代から40年代のイギリスのクラシックカーっぽいデザイン。
だけどいろんな角度からよく見ると、きれいな曲線美を描くボディなのにどこかシャープな部分があったりして、そこがクラシックとモダンが融合した不思議なデザインに感じるんです。
たとえばこの角度のフェンダーライン。
前輪のフェンダー部分からフロントにかけて鋭角的なラインがあるでしょ?緩やかなフォルムの中にもシャープさがあって、この融合がなんとも美しいじゃないですか!
ほかにはテールランプなんかもおしゃれなんです。
個人的お気に入りポイント
ここで個人的に「エモい」と感じたお気に入りのパーツやポイントをご紹介させてください。
まずはここ!
やっぱりお尻、リアは気になりますね。
だって普段車を運転してるときって、前車の後部ばかり見ることになるじゃないですか。そうなるとやっぱりリアのデザインがかっこいい車って気になっちゃうんですよね。
個人的にランプのデザインは丸目が好きで、初めて買ったBMWも敢えて丸目の型落ち(旧車)を探したくらい。
このヘリテージもスポーツカーだけど、クラシカルさを感じさせるこの丸目がおしゃれですね。
次に気になったのはグリル。
このメッシュグリル、よーく見るとちゃんと交互に編み込まれているんです。このこだわりはたまらないですね~。(そして焼肉食べたくなってしまう)
そしてやはりホイールは見逃せません。
ディスクやP.C.Dなんて、もう装飾品というか芸術作品のようなデザインじゃないですか。さすがスペインの車だけあって、天才建築家「ガウディ」の建造物、サグラダファミリアやカサ・バトリョのような自然の曲線美を感じます。
そして、何気に小さい頃スピログラフ定規で描いた模様を思いだしちゃいました。
このほかのお気に入りポイントはこちら。
運転席に座ってみた!
あちこち眺めているばかりの私たちに、「運転席に座ってみます?」と声をかけてくれたスタッフの男性(イケメン‼)。
「い、いいんですか?!」と内心ニヤニヤしながら聞き返すと、気軽に「どうぞ、どうぞ」とドアを開けて促してくれました。
では遠慮なく・・・とちょっとドキドキしながら運転席に乗り込もうとしたとき、最初の緊張イベントが!
サイドシルの幅が広い!スポーツカーは広いのが定番ですが、これは想定外の広さ。かなり大股に跨がないといけません。
もう、傷をつけないよう足が触れないよう恐る恐る乗り込みます。(実際は車外に出るときの方が怖かった)
そして、ようやく座ってみた最初の感想は「かなりコンパクトな空間」ということ。
男性スタッフ「車内の空間スペースはベース車のロードスターとほぼ一緒です。でも視界はロードスターより狭く感じますよ(笑)」
そう!確かにシートが深いので結果ハンドルの位置も高くなり(調整しても身長165㎝の私だと目の位置くらいまでくる)、それだけでも視界は狭いのですが、さらにフータンオリジナルのボンネットが前方の視界をみごとに遮ってくるのです。
個人的な感覚では、フロント全体の視界は良好、ただしハンドルとボンネットの面積分で実際の視野は50%ほどでは?という感じでした。
でもこの独特の視野感こそ、まさにスポーツカーを運転する醍醐味でもありますね。
視界に加え感じたことは、実走における難易度が高そうということ。
ベースが比較的コンパクトなロードスターといえど、ボリュームアップした車両(全長は約30cm、全幅は約10㎝長い)に加えて独特なボディラインのため、車両感覚をつかむのは至難の業。
これは運転難易度高そうだぞと感じました。(私だったら恥ずかしげもなくコーナーポールほしくなるかも・・・)
ちなみに私が座った際の車内のポジショニング(165㎝/中肉中背)は、足回りのペダル位置はかなり遠く、足をかなり伸ばさないと届かないわりに足とハンドルの隙間は結構狭いです。膝を曲げるとすぐにハンドルにあたります。足の太い方だと結構ステアリングが大変そうですね。
また、ヘッドクリアランスも幌(ほろ)を張った状態だとかなり低いですね。
身長185cmの男性スタッフいわく「僕の場合は頭を傾げないと収まらないですね。浅く座るようにすると膝を曲げないといけないのでハンドルにあたってしまいます(笑)」という、高身長ならではの問題が・・・
結果、このフータンを一番快適に運転できる身長は175㎝前後かなと感じました。
オリジナルカスタムは無限大!
フータンはとにかくオリジナルカスタムのバリエーションが半端ない!
すでにカスタム車両なんだけど、ボディカラーからエクステリアも細部までカスタマイズできるのがほかのメーカーとは違うところ。
例えば、ボディカラーは基本色のほかカラーコードを指定すればどんなカラーにも対応可能。そしてフェンダー部分を別カラーでツートンにすることも、カラーラインを入れることもできるんです。
内装トリムは特にバリエーションが豊富でかなり細かくカスタマイズできるんです。
シートやステアリング、ドア部分などのトリムはエコレザー張りとなるのですが、そのベースとなるカラーがとても豊富。
見てください、このカラーの多さ!パントーンの色見本かってくらい微妙な色合いがラインナップされています。
さらにシート1つとっても、さらにパーツごとに細かく指定ができるとのこと。
例えば、座面となるシート部分と中央のパイピング、アームレスト・ヘッドレストとその間のあるパイピングもそれぞれ別々のカラーを選択できるんです。
極端な話、運転席と助手席も含めて全部違う色にすることも可能ってこと。
さらにはステアリングホイールからシフトノブ、ドアトリムまで個別指定も可能とくれば、これもう無限大のカスタムですね。
ついつい「私だったらオリーブカラーをベースにパイピングはこれにして~」とか、購入の算段もないのに想像を膨らませてしました。
あと、トリムアッパーはクラシックスタイルならえのウッドパネルにもできるとのこと。(ウッド調ではないですよ、本物のウッドパネルです)
1,000万円オーバーだけど意外に高くない??
このフータン、ヘリテージとビスポークいずれも1.5リッターエンジンで基本装備で900万円以上、2リッターエンジンなら1,000万円以上となります。
ベース車がロードスター(MX-5)ということを考えると、一見は「高い」と思われるでしょう。
でも、考えてみてください。
すでにフータンカスタムされた特徴的なボディラインやパーツの豪華さ、細部の繊細さに加え、正規で行えるカスタムバリエーションの多彩さはどのメーカーにも負けません。
ほとんどオーダーメイド(さらに一台一台ハンドメイド製作)で、まさに世界に1台だけの特別感を味わえますね。
個人的にはこのカスタムに対するスタンスと豊富さは、なんとなくハーレーダビッドソンに似ていると思っているのですが(ハーレーも公式でカスタムパーツを販売している)、ハーレーのカスタム費用と比較すると全然安いと思えてくるんです。(2輪と4輪を比べるのもおかしいですが)
そして今まだフータンは世間への認知がこれからということもあって、こんな車に乗っていたら絶対にまわりから「希少車」として注目されるであろう期待値。
本物のビンテージカーで目立つのも楽しいけど、「なにこの車、古いの?新しいの?どこの車?」なんて見られる優越感に浸れること間違いなしです。
もちろんエンジンは現行のマツダなので、ビンテージカーに比べたら故障のリスクもだんぜん低く、遠出のドライブだって安心できますしね。
ほかのスポーツカーと一概には比べられませんが、同じロードスタータイプの『BMW Z4』は一番低いグレードでも800万円近いし、『メルセデスAMG SL』なんかは2,000万円近くします。
そう考えると、これだけの希少性とエクステリアの豪華さ、カスタマイズの豊富さでこの価格帯は決して高くないと思えてきませんか?
もう1つのラインナップ『ビスポーク』について
今回おじゃましました「HURTAN JAPAN」の店舗では、定期的にもう1つの車種『ビスポーク』と入れ替えて展示しているとのことですが、販売元のロシェル株式会社の本社(大阪府和泉市)ではここで展示されていない方の車両を見ることができるそうです。
機会があればぜひビスポークの実物も見てみたいですね。
今回の見学にあたっては、お忙しいところロシェルの坂口社長自ら店舗まで足を運び、私たち一行にフータンについてご説明いただいた次第ですが、素人丸出しな質問にもとても気さくにお答えいただき本当に感謝しきりでした。
また、このフータンを日本で販売するまでのいきさつや、販売にあたっての苦労など興味深いお話をいろいろ伺うことができました。(なのにまるで読書感想文のような主観レポートに終始してしまってすみません…)
このときの話はまた機会がありましたらレポートにまとめてみたいと思います。
皆さんもこのレポートを見て、もしかして実車を見てみたくなったのではないでしょうか。
外車の販売店やショールームというと、ちょっと敷居が高いイメージを持たれる方もいるかと思いますが、坂口社長いわく「まずはフータンを知ってもらいたい」というお気持ちがあり、だからこそ気軽に見に来てほしいとおっしゃっていました。
気になった方はぜひフータンを見に足を運んでみてはいかがでしょうか。